令和8年度(2026年)診療報酬改定では、本体施行(令和8年6月1日)に前後して厚生労働省から疑義解釈(その1〜その9)が発出されました(令和8年3月23日〜6月26日)。本記事では、当サイトが解説している加算を中心に、現場で問い合わせの多い・解釈に迷いやすい論点を分野別・問番号つきで整理します。令和8年8月3日(月)が届出期限となる項目(様式98等)もあるため、早めにご確認ください。各加算の算定要件そのものは個別記事へリンクしています。

📋 改定2026の全体像はこちら:施行スケジュール・届出が必要な施設基準・全カテゴリの改定一覧は「診療報酬改定2026 完全ガイド」で確認できます。届出・経過措置の段取りは「6月1日施行 直前・直後チェックリスト」もご活用ください。

1. 疑義解釈(その1〜その10)の全体像

疑義解釈資料は、告示・通知の解釈を厚生労働省保険局医療課が事務連絡として示すもので、算定の根拠になります。令和8年度改定では本体施行(6月1日)の前後にかけて、以下の10本が発出されました。一部訂正も出ているため、最新版を必ず原文で確認してください。

資料発出日主な内容
その1令和8年3月23日電子的情報連携・ベースアップ・回復期リハ強化体制加算・バイオ後続品 ほか
その2令和8年4月1日最大ボリューム。入院料・重症度看護必要度・早期リハ起算日・手術/材料 ほか
その3令和8年4月20日届出関係・ベースアップ・後発医薬品使用体制加算 ほか
その4令和8年4月21日電子的診療情報連携・在宅医療充実体制加算・ベースアップ ほか
その5令和8年5月8日ベースアップ(賃金改善実績)・排尿自立支援・生活習慣病管理料 ほか
その6令和8年5月22日早期リハ起算日・退院前訪問指導・在総管/施設総管 ほか
その7令和8年5月29日電子的診療情報連携の活用頻度・在宅医療充実体制加算・選定療養 ほか
その8令和8年6月17日電子的診療情報連携のネットワーク要件・リハ実施計画書の説明記録・回復期リハ入院医療管理料の12km例外・心不全再入院予防・訪看の紹介料禁止 ほか
その9令和8年6月26日ベースアップ減算の届出(様式98・8/3期限)・在宅医療充実体制加算の緩和ケア研修・物価対応料(DPC転棟時)・地域支援・医薬品供給対応体制加算 ほか
その10令和8年7月17日掲示事項の電子的表示(デジタルサイネージ等)可・リハ栄養口腔連携体制加算の褥瘡割合の調査日・診療情報提供料(Ⅰ)の摘要欄・調剤(残薬調整/服用薬剤調整支援料2)・包括型訪問看護 ほか(その7別添3問7は廃止)

⏰ 8月3日(月)が届出期限の項目(その8・その9で明示):次の項目は、6〜7月診療分は猶予(みなし)されますが、8月診療分以降も算定・免除を続けるには令和8年8月3日(月)までの届出が必要です。

  • 入院基本料等の減算の免除(様式98):令和8年3月31日時点で入院ベースアップ評価料等を届け出ていた医療機関の猶予は7月診療分まで(その9 看ベ問1)
  • ウイルス・細菌核酸多項目同時検出(SARS-CoV-2を含むもの)の施設基準届出(その8 問10)
  • 通院・在宅精神療法 注13の減算対象外となるための施設基準届出(その8 問15)

⚠️ 本記事の位置づけ:実務でよく参照される論点を要約したものです。算定の最終判断は、必ず厚生労働省の疑義解釈原文(事務連絡)および告示・通知でご確認ください。各設問は要約のため、原文のニュアンスと異なる場合があります。

2. 電子的診療情報連携体制整備加算(最重要・全7号に登場)

本加算は7本すべての疑義解釈で取り上げられ、改定で最も問い合わせが多い加算です。加算の点数・施設基準そのものは「電子的診療情報連携体制整備加算の解説」「加算1・2・3の違い」をご覧ください。

Q. 旧「医療DX推進体制整備加算」を届け出ていれば、改めて届出は不要?(その1 問3)
A. 届出が必要です。令和8年5月31日時点で医療DX推進体制整備加算・診療録管理体制加算の施設基準を届け出ていても、6月1日以降に電子的診療情報連携体制整備加算を算定する場合は改めて届出を行う必要があります。(※調剤側の電子的調剤情報連携体制整備加算は「みなし」で届出不要=下記§3と取扱いが異なる点に注意)

Q. 初診で算定した月に、再診でも算定できる?(その4 問4)
A. いずれも算定不可です。初診料の注16で算定した月に再診を行っても再診分は算定できず、逆に再診・外来診療料で算定した月に他疾患で初診を行っても初診分は算定できません。同月の重複算定はできません。

Q. 再診・外来診療料で算定するには、追加の届出が必要?(その5 問1)
A. 不要です。初診料の注16(電子的診療情報連携体制整備加算)の届出を行っていれば、再診料の注19・外来診療料の注10の分について追加の届出は要りません。

Q. ネットワークは「どの程度」活用していればよい?(その7 問1)
A. いずれかの患者について、少なくとも概ね2か月に1回以上、診療情報の閲覧または共有を行うこと。ただしネットワーク加入月からその3か月後までは猶予されます(例:令和8年7月加入なら同年10月まで。令和8年5月31日までに加入していた機関は令和8年6月1日〜9月30日まで猶予)。

Q. 電子処方箋は、医師全員が発行できる体制が必要?(その7 問3)
A. 原則は処方を行う医師全員ですが、当面の間は2名以上(常勤医師が1名のみの場合は1名以上)の常勤医師が電子処方箋を発行できればよいとされています。発行できない医師は引換番号付き紙処方箋で対応します。

Q. 医療・介護職種がチャットやメーリングリストで診療情報を共有するネットワークでも要件を満たす?(その8 問1)
A. 満たしません。要件を満たすには、診療情報提供料(Ⅰ)の検査・画像情報提供加算または電子的診療情報評価料の施設基準を満たすネットワーク(検査結果・画像情報・投薬内容・注射内容・退院時要約を電子的に送受信または閲覧でき、電子カルテ情報を共有し随時閲覧できるもの)であることが必要です。単なるチャット等での日々の報告・一部情報の共有では不可です。

Q. 電子処方箋の利用申請は済んだが、HPKIカードの取得待ちで発行できない。要件を満たす?(その8 問3)
A. 当面の間に限り満たします。ただしHPKIカード取得後は速やかに運用開始日を登録し、実際に電子処方箋の発行(または引換番号付き紙処方箋+処方情報登録)を行う必要があります。

その他の確認事項:「厚生労働省が認証する電子カルテ製品」の認証制度は検討中で、追って示される予定です(その6 問1)。バックアップは「複数方式・一部オフライン保管」が必要で、クラウド+RDX/NAS等の具体例や世代管理(少なくとも3世代)の考え方が示されています(その2 問27〜31)。

3. 電子的調剤情報連携体制整備加算(薬局向け)

Q. 旧「医療DX推進体制整備加算」を届け出ている薬局は、改めて届出が必要?(その1 問2)
A. 不要です(みなし)。令和8年5月31日時点で医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている保険薬局は、6月1日からの電子的調剤情報連携体制整備加算の算定にあたり、改めての届出は要りません。医科の電子的診療情報連携(§2・要届出)とは逆の取扱いなので混同に注意してください。

点数(8点・月1回)・マイナ保険証利用率30%要件・様式87の3の6などの詳細は「電子的調剤情報連携体制整備加算の解説」をご覧ください。電子処方箋は、現時点では令和5年1月稼働の基本機能に対応していればよい、とされています(その6・その7 問1)。

4. ベースアップ評価料(賃上げ・実務の難所)

ベースアップ評価料は届出・報告の実務が複雑で、その1〜その7にわたり多数のQ&Aが出ています。

Q. 6月から算定する場合、8月提出の「賃金改善中間報告書」の実績期間は?(その5 問6)
A. 令和8年6月・7月分の賃上げ実績を報告します。4月から賃上げを行っている場合でも、4月・5月分ではなく6月・7月分を報告します。

Q. 算定期間と賃金改善の実施期間がずれてもよい?(その7 問4)
A. 原則一致が必要です。ただし令和8年4月から賃金改善を実施する場合は、令和8年6月〜令和9年5月に得た収入を令和8年4月〜令和9年3月の賃金改善に充てる扱いが認められます。

Q. 新規開設の医療機関が届け出る際、給与支払実績はどれだけ必要?(その2 問3)
A. 外来・在宅BU評価料(Ⅰ)・調剤BU評価料等は届出前1か月、外来・在宅BU評価料(Ⅱ)・入院BU評価料等は届出前3か月の給与支払実績が必要です。

その他:派遣職員は一定要件下で対象に含められる(業務委託職員は対象外)(その2 問2)/算定期間中に40歳になった医師等は、支払対象月初日時点で40歳未満なら対象(その3 問5)/外来・在宅BU評価料(Ⅰ)の収入実績額は注5(継続的賃上げ分)を除いた本体点数で計算し、令和8年度は初診時17点・再診時等4点で置き換える(その5 問7)。

Q. 入院基本料等の減算の免除(様式98)の届出が6月1日に間に合わなかった場合は?(その9 看ベ問1)
A. 令和8年3月31日時点で入院ベースアップ評価料等を届け出ていた医療機関は、6月・7月診療分に限り届出があったものとみなされます。ただし8月3日(月)までに様式98の届出を行わないと8月診療分から減算の対象になります。一定水準以上のベア等を行った医療機関・6月1日以降の新規開設の場合は、7月3日(金)までの届出で6月診療分から免除されます。

5. 早期リハビリテーション加算(起算日=入院日への変更)

令和8年度改定で早期リハ加算(系統A)の起算日が「発症等」から「入院日」に変わり、算定期間も14日に整理されました。詳細は「早期リハビリテーション加算2026」、ICU等の系統D=「早期離床・リハビリテーション加算(500点)」をご覧ください。

Q. 入院継続中に疾患別リハの起算日が切り替わったら、早期リハ加算の起算日も変わる?(その6 問16)
A. 同一医療機関に入院を継続している場合は、当初の入院日から変更されません。ただし、新たな疾患の発症等のために転院した場合・退院後に再入院した場合は、転院日・再入院日が起算日になります。

Q. 外来で疾患別リハを受けていた患者が急性増悪で入院したら?(その6 問17)
A. 入院の契機となった疾患でリハの起算日が切り替わり、対象疾患の要件を満たせば、入院日を起算日として早期リハ加算を算定できます。

Q. 令和8年5月31日以前から算定している患者の経過措置は?(その2 問70)
A. 5月31日以前に既に算定している患者は起算日を変更しません。ただし6月1日以降の算定期間は起算日から14日間となるため、6月1日時点で15日目以降の患者は6月1日以降は算定できません。6月1日時点で未算定の患者は、改定後の基準で入院日を起算日とします。

Q. リハビリテーション実施計画書の説明を医師以外の職種が行った場合、説明日・説明者はどこに記載する?(その8 問12)
A. 診療記録のうち診療録以外の部分に記載して差し支えありません。リハ通則では、計画書の写しに説明日・説明者の記載がない場合は診療録への記載が求められていますが、医師以外の職種(医師の指示を受けた看護師・PT・OT・ST等)が説明した場合はリハ実施記録等への記載で足ります。

Q. 摂食嚥下支援計画書の説明も、医師の指示を受けた看護師・PT・OT・STが行ってよい?(その8 問13)
A. そのとおり。ただし回復期リハビリテーション病棟入院料等の患者について、リハビリテーション総合実施計画書の一部として作成した場合は、医師による説明・交付と診療録への写し添付が必要です。

6. 回復期リハビリテーション強化体制加算(新設)

新設の回復期リハ強化体制加算(80点)の算定要件は「回復期リハビリテーション強化体制加算」で解説しています。施設基準の「退院前訪問指導の実施割合」の数え方に注意が必要です。

Q. 退院前訪問指導の実施割合、1人に2回訪問したら2人と数える?(その2 問50)
A. 1人として数えます(入院後早期と退院前の2回でも分子は1人)。

Q. 割合計算の「自宅」に施設は含まれる?(その2 問51)
A. サービス付き高齢者向け住宅は「自宅」に含みますが、施設入居時等医学総合管理料の対象施設(ホを除く)や障害福祉サービスの施設等は含みません(分子・分母のいずれにも入れない)。届出は入院料1を届け出る病棟全体で行います(その1 問30)。

Q. 半径12km以内に回復期リハ病棟入院料の届出機関があると、回復期リハビリテーション入院医療管理料は届け出られない?(その8 問5)
A. 例外が示されました。①半径10km以内に他の回復期リハ病棟がない ②二次医療圏の回復期病床が人口10万対50床以下 ③12km以内の回復期リハ病棟保有機関が1以下でその機関が合意 ④都道府県が必要性に同意した文書を厚生局へ提出 ⑤脳血管等リハ料(Ⅰ)または運動器リハ料(Ⅰ)を届出のうえ16床以上を一体的区域として特定——のすべてを満たす場合に限り届出が認められます。

7. バイオ後続品使用体制加算(算定日が「退院の日」に変更)

Q. 改定前に入院初日で算定した患者を、同じ入院で改めて退院の日に算定できる?(その1 問22)
A. 不可です。この設問は、令和8年度改定で本加算(入院・100点)の算定日が「入院初日」から「退院の日」へ変更されたことを前提としています。詳細は「バイオ後続品使用体制加算【令和8年度】」をご覧ください。

8. 在宅医療充実体制加算(新設・届出実務)

Q. 重症患者割合の要件、届出時に過去1年の実績が必要?(その4 問18)
A. 令和8年度中に届け出る場合に限り、直近3か月の実績で可。ただし令和9年度に算定を継続する場合・令和9年度以降に届け出る場合は、過去1年間の実績が必要です。

Q. 「訪問診療を担当する時間」の常勤換算の対象期間は?(その7 問21)
A. 届出前1か月。なお、届出の3か月前から前月までの直近3か月の月別の値の平均を用いてもよい、とされています。

Q. 緩和ケア研修会の修了は、在宅医療を担当する常勤医師の全員に必要?(その9 問6)
A. 少なくとも1名が修了していれば施設基準(キ)を満たします。全員の修了は「望ましい」とされています。

在宅・介護連携分野の改定は「在宅医療・介護連携の変更点」で解説しています。

9. その他の重要Q&A(入退院支援・生活習慣病・選定療養・地域包括ケア)

  • 入退院支援加算(その2 問24):退院困難な要因に加わった「家族や親族との連絡が困難」とは、家族等を特定する努力をしても特定できない場合や、本人・家族が相談を拒んでいる場合を指します。詳細は「入退院支援加算1・2の違い」へ。
  • 生活習慣病管理料(その5 問12):生活習慣病管理料(Ⅱ)に新設の眼科・歯科医療機関連携強化加算は、診療情報提供料(Ⅰ)と同月でも併算定可能。眼科・歯科それぞれに紹介した場合は同一月でもそれぞれ算定できます。詳細は「生活習慣病管理料Ⅰ・Ⅱ」へ。
  • 生活習慣病管理料(その1 問34):血液検査は、特定健診その他の健康診断等で受けた検査結果を参照できる場合も含めて差し支えありません(結果は診療録に記載)。
  • 選定療養(その7 問26):近視進行抑制薬が選定療養の対象に。特別の料金は患者から徴収しますが、調剤料・調剤技術基本料・調剤基本料・薬剤調製料以外は診療報酬点数表に基づき算定可能です。
  • 地域包括ケア病棟入院料(その6 問12):平成26年3月31日時点で10対1入院基本料等を算定し、令和8年3月31日時点で地域包括ケア病棟入院料を届け出ている病院は、新たに別病棟で地域包括ケア病棟入院料を届け出ない場合に限り、急性期病院B一般入院料・急性期一般入院料4を算定する病棟で看護・多職種協働加算の届出が可能です。
  • 物価対応料(その8 医科歯科問2/その9 問10):短期滞在手術等基本料3を算定する場合も、算定した日に1回に限り入院物価対応料を算定できます(歯科も同様)。DPC対象病院から地域包括ケア病棟へ転棟した場合は、DPCで算定する期間中でも地域包括ケア病棟入院料の区分に応じた物価対応料を算定します。
  • 心不全再入院予防継続管理料(その8 問6/その9 問4・問5):再入院予防チームに薬剤師・理学療法士が所属可能(研修修了が望ましい)。地域の研修会は管理料1・2の届出機関どうしの合同開催も可能(事前の協議・連携が前提)。検査の実施を主目的とする入院では管理料1は算定不可です。
  • 訪問看護ステーションの利用者紹介の対価禁止(その8 訪看問1〜3):紹介業者や集合住宅の事業者等へ、利用者紹介の対価として紹介料等の経済上の利益を提供して誘引することが明確に禁止されました。委託料・貸借料への上乗せや「療養費の一定割合」「利用者数に応じた設定」も実質的な対価と判断され得ます。
  • 地域支援・医薬品供給対応体制加算(その9 調剤問1):薬局が属する法人が薬事未承認の研究用試薬・検査サービスをインターネット上で販売・提供している場合も施設基準を満たさず、加算2〜5は届出できません。
  • 健診と同一日の別受診(その9 医科歯科問1):健診の会計終了後、患者の状態変化等の客観的な必要性により改めて受診した場合に再診料等を算定できます。形式的に時間を区切ったり、予め再受診を指示した場合は「別の受診」になりません。

10. 疑義解釈その10(令和8年7月17日)の追加ポイント

令和8年7月17日に疑義解釈資料(その10)が発出されました。医科・歯科・調剤・訪問看護・掲示事項の各分野にわたります。現場での適用場面が多いものを整理します(あわせて「その7」別添3の問7が廃止されました)。

  • 掲示事項の電子的表示(デジタルサイネージ等)が可能に(掲示問1):院内掲示が求められる事項を、デジタルサイネージ等の電子的表示で掲示して差し支えありません。ただし、利用者が容易に視認・確認できること、複数内容を切り替えて表示する場合は数分以内に一巡すること、掲示内容を記載した紙媒体を備え付け、紙で閲覧できる旨を表示することが条件です。なお医療法等(健康保険法以外)に基づく掲示は各法令に従います。掲示・ウェブ掲載の全体像は「施設基準のウェブサイト掲載義務」を参照。
  • リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の褥瘡割合(医問1):「院内で発生した褥瘡(DESIGN-R2020 d2以上)を保有する入院患者の割合」は、届出月および報告月(8月)の前月初日を調査日として要件を満たせばよく、毎月充足する必要はありません。報告月に満たない場合は変更の届出を行い、その後の調査で満たせば再度届出できます。
  • 診療情報提供料(Ⅰ)の摘要欄(医問2):診療報酬明細書の摘要欄への情報提供先の記載は望ましいものの、医事会計システムが未対応等で記載がない場合でも、算定要件を満たしていれば算定可能です(紹介先が特定され、交付文書の写しを診療録に添付していること等が前提)。
  • 在宅時医学総合管理料 注16(医問3):2月・5月・8月・11月に基準非該当(注16適用)として届け出た後、これら以外の月に基準に該当するようになった場合、その時点で「該当しない旨の届出」を取り下げ、翌月から注16を適用せずに算定できます。
  • 調剤(調問2・問3):調剤時残薬調整加算で摘要欄に記載する「投与間隔が長い薬剤のため」の「投与間隔が長い」とは投与間隔が6日間以上を指します。服用薬剤調整支援料2の「内服薬6種類以上」の数え方は支援料1と同じで、屯服薬は含めず、錠剤・カプセル・散剤・顆粒・液剤は1銘柄1種類として計算します。
  • 包括型訪問看護療養費(訪看問1):新規開設ステーションの安全管理体制確保のための職員研修は、届出時に「届出後3か月以内の研修予定等」の具体的計画を示せば基準を満たすものとして取り扱われます。ただし届出後1か月以内に少なくとも1回実施し、3か月時点で計画が未遂行なら速やかに取り下げが必要です。

📌 8月の定例報告との関係:上記のリハ・栄養・口腔連携体制加算の褥瘡割合(報告月=8月の前月初日が調査日)は、8月の施設基準の定例報告とも関わります。8月に向けて調査日・要件を確認しておきましょう。

11. よくある質問(FAQ)

Q. 疑義解釈その10(令和8年7月17日)では何が示されましたか?

掲示事項をデジタルサイネージ等の電子的表示で行ってよいこと(数分以内に一巡・紙媒体の備え付け等が条件)、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の褥瘡割合は報告月(8月)の前月初日を調査日とすること、診療情報提供料(Ⅰ)は摘要欄に情報提供先の記載がなくても算定要件を満たせば算定できること、服用薬剤調整支援料2の内服薬6種類の数え方などが示されました。あわせて、その7別添3の問7は廃止されました。詳細は上記「10. 疑義解釈その10の追加ポイント」を参照してください。

Q. 疑義解釈はどこで入手できますか?

厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」のページに、疑義解釈資料(その1〜その10)や関連通知・告示が掲載されています。本記事末尾の参考文献に各PDFのリンクを記載しています。

Q. 電子的診療情報連携体制整備加算と電子的調剤情報連携体制整備加算で、届出の取扱いが違うのはなぜですか?

医科の電子的診療情報連携体制整備加算は、旧医療DX推進体制整備加算等を届け出ていても改めて届出が必要です(その1 問3)。一方、薬局の電子的調剤情報連携体制整備加算は、旧医療DX推進体制整備加算を届け出ていれば改めての届出は不要(みなし)です(その1 問2)。加算の組み替え方が医科・調剤で異なるためで、混同しないよう注意が必要です。

Q. 早期リハ加算の起算日は、転院したらどうなりますか?

同一医療機関に入院継続中であれば当初の入院日のままですが、新たな疾患の発症等で転院・再入院した場合は、その転院日・再入院日が起算日になります(その6 問16)。

Q. 6月1日時点で早期リハ加算が15日目以降の患者は、6月以降も算定できますか?

できません。5月31日以前から算定している患者は起算日を変えませんが、6月1日以降の算定期間は起算日から14日間に整理されるため、6月1日時点で15日目以降であれば6月以降は算定できません(その2 問70)。

参考文献

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省 保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和8年3月23日事務連絡)
  • 同(その2)令和8年4月1日/(その3)令和8年4月20日/(その4)令和8年4月21日
  • 同(その5)令和8年5月8日/(その6)令和8年5月22日/(その7)令和8年5月29日
  • 同(その8)令和8年6月17日/(その9)令和8年6月26日/(その10)令和8年7月17日
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)/同 実施上の留意事項について(保医発0305第6号)/基本診療料施設基準(保医発0305第7号)/特掲診療料施設基準(保医発0305第8号)