令和8年度診療報酬改定(2026年6月施行)により、急性期リハビリテーションに係る加算は4系統に整理されました。本記事では、早期リハビリテーション加算(系統A)・初期加算(系統B)・急性期リハビリテーション加算(系統C・新設)・早期離床・リハビリテーション加算(系統D)の算定要件・点数・対象疾患・人員配置・届出方法を急性期病院向けに解説します。

🏥 リハ加算の全体像はこちら:回復期リハ病棟の各種加算(強化体制加算・リハ栄養口腔連携体制加算・早期リハ加算)と実績指数の計算方法は「回復期リハビリテーション 加算ガイド」でまとめて確認できます。

ポイント:

  • 早期リハ加算(系統A)は「入院した日」を起算日に変更。入院1〜3日目は60点、4〜14日目は25点(令和8年度改定)
  • 「早期リハ加算(A)」「初期加算(B)」「急性期リハ加算(C)」「早期離床・リハ加算(D)」の4系統を正確に区別して管理する
  • 回復期リハ強化体制加算(記事06)への引き継ぎを意識した急性期介入が、病院全体の実績指数改善に直結する

1. はじめに|2026年度改定における急性期リハの方向性

令和8年度診療報酬改定では、急性期リハビリテーションの評価が大幅に見直されました。主な方向性は次の3点です。

  • 超早期介入の強化:入院後72時間以内の離床・リハ開始を促進するため、入院1〜3日目の加算点数を引き上げ
  • 「離床」を伴わないリハへの厳格化:離床なきリハビリに対し10%減算を新設し、ベッドサイドでの臥位訓練中心の実施を抑制
  • 急性期から回復期への連続性:回復期リハ病棟の実績指数基準が引き上げられる中、急性期での早期介入が回復期での実績指数達成に直結

これらの変更に対応するためには、加算の4系統を正確に把握し、入院当日から算定できる体制を整えることが不可欠です。

補足:本記事の情報は令和8年厚生労働省告示第69号および保医発0305第6号(令和8年3月5日)、疑義解釈資料(その2・令和8年4月1日)に基づきます。施行日は令和8年6月1日です。

2. 早期リハビリテーション加算とは(4系統の概要)

令和8年度改定以降、急性期リハビリテーションに係る加算は以下の4系統に整理されます。従来の「3系統」から「4系統」へ再編されたことが最大のポイントです。

系統 正式名称 区分 点数 算定期間 起算日
A 早期リハビリテーション加算 疾患別リハ料 注2 1〜3日目:60点/単位
4〜14日目:25点/単位
入院から14日を限度 入院した日
B 初期加算 疾患別リハ料 注3 45点/単位 発症等から30日を限度 発症、手術又は急性増悪の日
C 急性期リハビリテーション加算(新設) 疾患別リハ料 注4 50点/単位 入院中の重症者等に対し14日を限度 入院した日
D 早期離床・リハビリテーション加算 特定集中治療室管理料等 注 500点/日 入室から14日を限度 入室した日

注意:系統Dを算定した日は、疾患別リハビリテーション料(系統A・B・Cを含む)は算定できません。ICU退室後に一般病棟へ転棟した際は、速やかに系統A・Bへ切り替えてください。

3. 加算の4系統と算定要件【詳細】

系統A:早期リハビリテーション加算(令和8年度の抜本的変更)

令和8年度改定で最も大きな変更を受けた加算です。算定期間・点数・起算日がすべて見直されました。

項目 令和6年度(旧) 令和8年度(新)
点数 1単位につき25点(一律) 入院1〜3日目:60点/単位
入院4〜14日目:25点/単位
算定期間 発症・手術・急性増悪から30日 入院した日から14日
起算日 発症、手術又は急性増悪の日 入院した日(転院時は転院前入院日)

通知原文(保医発0305第6号)では次のように定めています。

「注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合は、入院した日から起算して14日を限度として、早期リハビリテーション加算として、1単位につき60点(入院した日から起算して4日目以降は1単位につき25点)を所定点数に加算する。ただし、他の保険医療機関から転院してきた患者については、転院前の保険医療機関に入院した日を起算日とする。」

注意:転院患者の起算日
転院患者の起算日は「自院への入院日」ではなく「転院前の保険医療機関に入院した日」です。前医の入院日を確認し、残余算定可能日数を計算してください。起算日を誤ると過誤請求となります。

系統B:初期加算

系統Aとは起算日のトリガーが異なります。「入院した日」ではなく「医学的事象(発症・手術・急性増悪)が起きた日」を起算日とする点に注意が必要です。

  • 点数:1単位につき45点(令和8年度も変更なし)
  • 算定期間:発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いものから起算して30日を限度
  • 起算日のトリガー:医学的事象(発症等)

ポイント:系統A・Bは同一日に算定可能
系統A・Bはそれぞれの要件を満たせば同一日に算定できます。発症当日に入院した患者の入院1〜3日目は「疾患別リハ料 + 早期リハ加算(60点)+ 初期加算(45点)= 計105点の上乗せ」が可能です。

系統C:急性期リハビリテーション加算(令和8年度新設)

  • 点数:1単位につき50点
  • 算定期間:入院中の重症者等に対し14日を限度
  • 対象:入院中の重症患者等(施設基準で規定)
  • 施設基準:当該保険医療機関にリハビリテーション科の常勤医師が1名以上配置されていること

系統D:早期離床・リハビリテーション加算(特定集中治療室等)

  • 点数:1日につき500点
  • 算定期間:入室した日から起算して14日を限度

算定できる入院料(限定列挙)は以下のとおりです。

  • A300 救命救急入院料
  • A301 特定集中治療室管理料
  • A301-2 ハイケアユニット入院医療管理料
  • A301-3 脳卒中ケアユニット入院医療管理料
  • A301-4 小児特定集中治療室管理料

4. 算定対象疾患・起算日(疾患別リハ料ごと)

系統A(早期リハ加算)の起算日は「入院した日」に統一されましたが、系統B(初期加算)の起算日は疾患別リハ料の区分によって異なります。以下の表で整理してください。

疾患別リハ料 対象疾患の例 系統A 起算日 系統B 起算日(初期加算) 系統B 算定期間
脳血管疾患等リハ料 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、神経難病 等 入院した日 発症、手術又は急性増悪の日 起算から30日以内
運動器リハ料 大腿骨頸部骨折、脊椎疾患、関節置換術後 等 入院した日 発症又は手術の日 起算から30日以内
呼吸器リハ料 肺炎、COPD急性増悪、肺手術後 等 入院した日 治療開始日 起算から30日以内
心大血管疾患リハ料 心筋梗塞、心不全、大血管手術後 等 入院した日 発症又は手術の日 起算から30日以内
廃用症候群リハ料 長期臥床による廃用 等 入院した日 廃用症候群評価日(急性増悪日) 起算から30日以内

補足:廃用症候群リハ料の初期加算は、廃用症候群に係る急性増悪の診断日(廃用症候群評価日)が起算日となります。発症日・手術日とは異なるため、カルテ記載と算定日の整合性を必ず確認してください。

5. 必要な人員配置

早期リハ加算・初期加算(系統A・B・C)を算定するためには、疾患別リハビリテーション料の施設基準(I・II・III)の取得が前提条件となります。施設基準の区分ごとに必要な人員配置は以下のとおりです。

用語の定義:
専従=当該業務のみに従事すること(他業務との兼務不可)
専任=当該業務に主として従事すること(一定の他業務との兼務可)
常勤=施設で定める所定労働時間を満たすフルタイム勤務
常勤換算=非常勤職員の勤務時間を合算し、常勤1名分として換算する方式

脳血管疾患等リハビリテーション料

区分 医師 療法士(PT・OT・ST)
脳血管等リハ料(I) 専任の常勤医師2名以上
(うち1名は3年以上の経験等)
専従の常勤PT 5名以上、OT 3名以上、ST 1名以上(言語聴覚療法実施時)。専従従事者合計10名以上
脳血管等リハ料(II) 専任の常勤医師1名以上 専従の常勤PT 1名以上、OT 1名以上、ST 1名以上(実施時)。合計4名以上
脳血管等リハ料(III) 専任の常勤医師1名以上 専従の常勤PT・OT・STのいずれか1名以上

運動器リハビリテーション料

区分 医師 療法士(PT・OT)
運動器リハ料(I) 運動器リハ経験を有する専任の常勤医師1名以上 専従の常勤PT・OT 合計4名以上
運動器リハ料(II) 専任の常勤医師1名以上 専従の常勤PT・OT 合計2名以上
運動器リハ料(III) 専任の常勤医師1名以上 専従の常勤PT・OTいずれか1名以上

呼吸器リハビリテーション料

区分 医師 療法士
呼吸器リハ料(I) 呼吸器リハ経験を有する専任の常勤医師1名以上 呼吸器リハ経験を有する専従の常勤PT 1名を含む、常勤PT・OT・ST 合計2名以上
呼吸器リハ料(II) 専任の常勤医師1名以上 専従の常勤PT・OT・STのいずれか1名以上

心大血管疾患リハビリテーション料

区分 医師 療法士・看護師
心大血管リハ料(I) 循環器内科または心臓血管外科が常時勤務し、経験を有する専任の常勤医師1名以上 経験を有する専従の常勤PT及び常勤看護師 合計2名以上
心大血管リハ料(II) 循環器内科または心臓血管外科を担当する医師1名以上 経験を有する専従のPTまたは看護師のいずれか1名以上

系統D(早期離床・リハ加算)のチーム構成要件

系統Dは独立した施設基準(様式42の3)の届出が必要で、チーム構成員に高度な経験要件が課されます。

職種 経験・資格要件 専従・専任 常勤要件 兼務
医師 集中治療に関する5年以上の経験を有する医師 専任 常勤 特定集中治療室の配置医師との兼務可
看護師 集中治療を必要とする患者の看護経験5年以上、かつ適切な研修(600時間以上等)修了 専任 常勤 特定集中治療室管理料1・2の配置看護師との兼務可
PT・OT・STのいずれか 急性期医療を提供する保険医療機関において5年以上従事した経験(回復期リハ病棟専従経験との合算で5年以上も可) 専任 常勤

注意:系統D(早期離床・リハ加算)は、上記3職種すべてを充足するチームを編成し、入室後48時間以内に患者を評価して早期離床計画を作成・開始する必要があります。関係学会(日本集中治療医学会等)の指針に基づくプロトコルの整備も施設基準の要件です。

系統C(急性期リハ加算)の施設基準:
急性期リハビリテーション加算(系統C)は、「当該保険医療機関にリハビリテーション科の常勤医師が1名以上配置されていること」が施設基準として要求されます。系統A・Bには課されていない追加要件です。

6. 必要な届出・施設基準

加算・料 届出様式 提出先 備考
疾患別リハビリテーション料(I〜III) 様式42等 地方厚生局 系統A・B・Cの前提要件。既取得施設は再届出不要(変更がない場合)
系統C(急性期リハ加算) 疾患別リハ届出に追記 地方厚生局 リハ科常勤医師配置の証明が必要
系統D(早期離床・リハ加算) 様式42の3 地方厚生局 独立届出が必要。チーム構成員の経歴・研修証明書を添付
リハビリテーション実施計画書 様式21(準拠様式可) 診療録管理 令和8年度は令和6年度旧様式の継続使用も可

7. 算定の実務フロー(急性期入院Day1〜回復期転棟まで)

以下のタイムラインで加算の切り替えを管理してください。なお、以下の「Day」表記は入院日(系統Aの起算日)を基準とした日数です。系統Bの算定期間(発症等から30日)は別軸で管理する必要があるため、入院日と発症日が異なる症例(例:発症から数日後に入院した患者)では、系統Bの残算定日数が系統Aより少なくなる場合があります。

【入院当日(Day 1)】
  ├ リハビリテーション処方・早期介入開始
  ├ 早期リハ加算(系統A):60点/単位(入院1〜3日目)
  ├ 初期加算(系統B):45点/単位(発症等から30日以内)
  └ ICU入室時:早期離床・リハ加算(系統D)500点/日 ← 疾患別リハは算定不可
         ↓
【Day 1〜3(入院超早期)】
  ├ 早期リハ加算(系統A):60点/単位
  └ 初期加算(系統B):45点/単位(要件充足時)
    → 疾患別リハ料 + 系統A(60点)+ 系統B(45点)= 最大105点の上乗せ可
    → FIM評価・GLIM評価・口腔評価を初回実施
         ↓
【Day 4〜14】
  ├ 早期リハ加算(系統A):25点/単位(4日目以降は減額)
  └ 初期加算(系統B):45点/単位(発症等から30日以内継続)
         ↓
【Day 15〜30(早期リハ加算終了後)】
  ├ 早期リハ加算(系統A):算定終了(入院から14日を超えたため)
  └ 初期加算(系統B):45点/単位(発症等から30日以内)
    → FIM再評価・退院・転棟調整開始
         ↓
【Day 31以降】
  └ 疾患別リハ料のみ(各加算なし)
    → 退院または回復期リハ病棟への転棟調整
         ↓
【回復期リハ病棟転棟】
  → 回復期リハビリテーション強化体制加算へ接続
  → 入退院支援加算と連携した転棟調整

【ICU退室後(系統Dから切替)】
  → 入院日起算で未経過分(系統A 14日以内)を継続算定
  → 入室前に系統A・Bを算定していた日数も合算してカウント

ポイント:算定管理の実務上のコツ
系統Aの「入院した日」、系統Bの「発症等の日」、系統Dの「入室した日」はそれぞれ異なります。電子カルテの加算管理機能を活用し、3つの起算日を別々に管理するルールを医事課・リハ科で共有してください。

8. 離床なきリハビリ減算(新設)と休日リハ加算(新設)

離床を伴わないリハビリテーションの減算(新設)

令和8年度改定で新たに設けられた「離床なきリハビリ減算」は、急性期リハが臥位中心に偏らないよう、実態に即した評価を促す制度です。

項目 内容
減算率 所定点数の100分の90(10%減算)
適用条件 離床(端坐位、立位、車椅子移乗、歩行等)を伴わない20分以上の個別療法を実施した場合
算定上限 患者1人につき1日2単位まで(離床なきリハビリとして算定可能な上限)

減算が適用されないケース(除外規定)

  • 医師が医学的に離床が困難と判断し、具体的理由を診療録およびレセプト摘要欄に記載した場合
  • 訓練室へ移動するために車椅子に移乗した場合
  • 病棟内を歩行訓練した場合(訓練内容の一部がベッド上であっても「離床あり」とみなされる)
  • 急性期一般入院料等の一部病棟(緩和措置あり)

注意:離床の実施状況は診療録への記載が必須です。「端坐位10分・立位練習5分」等の具体的な記述がなければ、審査機関から「離床なきリハビリ」と判定される可能性があります。療法士・看護師間で離床記録の書き方を統一してください。

休日リハビリテーション加算(新設)

項目 内容
点数 1単位につき25点
算定条件 土曜日・日曜日・祝日にリハビリテーションを実施した場合
算定期間 発症等から30日以内
目的 週末の「週末廃用」を防止し、治療期間を切れ目なく継続させる

9. 関連加算・併算定可否

加算・料 系統Aとの同時算定 備考
疾患別リハ料 ○(上乗せ算定) 系統Aは疾患別リハ料の注2加算
初期加算(系統B) ○(上乗せ) 要件を満たせば同一日に算定可能
急性期リハ加算(系統C) ○(上乗せ) 重症者要件あり。リハ科常勤医師の配置が必要
早期離床・リハ加算(系統D) × 系統D算定日は疾患別リハ料(系統A含む)算定不可
休日リハ加算 発症等から30日以内・土日祝日のみ
リハ・栄養・口腔連携体制加算 別途要件あり。低栄養患者への栄養評価・介入が必要
看護・多職種協働加算(新設) 加算1(277点)・加算2(255点)。病棟での排泄・食事動作自立支援体制の評価
入退院支援加算 別加算。転棟・退院調整に活用
回復期リハ病棟入院料 × 回復期リハ病棟転棟後は急性期加算の対象外

10. 当サイトの関連書式

早期リハビリテーション加算の算定・管理に活用できる書式を無料でダウンロードいただけます。

算定準備チェックリスト

  • 疾患別リハ料の施設基準(I・II・III)を取得済み
  • PT・OT・STの専従常勤換算配置数を確認済み
  • リハビリテーション処方の電子カルテオーダーフローを整備済み
  • 起算日(発症日・手術日・入院日)の判定ルールを文書化済み
  • 転院患者の前医入院日確認フローを整備済み
  • FIM評価シートを整備済み(書式16活用)
  • 多職種カンファレンス記録様式を整備済み(書式15活用)
  • 離床記録の記載基準を療法士・看護師間で統一済み
  • 系統D(早期離床・リハ加算)チームの編成・様式42の3の届出済み(ICU等)
  • 加算算定期間・切替タイミングを医事課・リハ科で共有済み

11. 急性期→回復期リハ加算マップ

急性期と回復期の連続性を意識した運用が重要です

急性期での早期リハ介入は、回復期リハ病棟での「回復期リハビリテーション強化体制加算」算定に直結します。回復期リハ病棟入院料1の実績指数基準は令和8年度改定で37から42へ引き上げられています(80歳以上除外も廃止)。急性期でのADL改善の伸びしろを確保することが、回復期での実績指数達成の鍵となります。

  • 急性期で実施したFIM評価・栄養評価・口腔評価は、転棟時の引き継ぎ書に必須
  • 書式13(リハ栄養口腔連携評価表)・書式16(FIM評価シート)を活用し、転棟時の情報共有を漏れなく実施
  • 詳細は当サイト「回復期リハビリテーション強化体制加算 2026」記事を参照

【急性期リハ加算の流れ】
入院当日:早期リハ加算(60点)+ 初期加算(45点)

Day 4〜14:早期リハ加算(25点)+ 初期加算(45点)

Day 15〜30:初期加算(45点)のみ

転棟:回復期リハ強化体制加算へ接続
記事06:回復期リハ強化体制加算の詳細

リハ・栄養・口腔の一体的取組については、リハ栄養口腔一体的取組の解説記事もあわせてご覧ください。低栄養評価(GLIM基準)についてはGLIM基準による低栄養評価の記事を参照してください。

入退院支援については、入退院支援加算1と2の違いの記事も参考にしてください。

12. よくある算定漏れ・査定パターン

注意:以下のパターンは過誤請求・査定の原因になります

  1. 転院患者の起算日ミス
    転院患者の系統A起算日は「前医の入院日」です。自院への転院日を起算日にすると、実際には14日を超えているのに加算を算定し続けることになり、返戻・過誤請求となります。入院時に前医の入院日を必ず確認・記録してください。
  2. 離床の記録不備による10%減算の遡及適用
    車椅子移乗・端坐位保持の記載が不十分な場合、「離床なきリハビリ」と判定され10%減算が遡及適用される可能性があります。「端坐位15分、立位練習10分実施」等の具体的な記述をカルテに残すことが必要です。
  3. リハビリ指示の不整合
    リハビリ指示を出した医師の診察日と、療法士の介入日の整合性が取れていない場合は審査で問題になります。リハビリ処方と施行日のタイムラインをレセプトで確認できるよう管理してください。
  4. 系統A・Bの起算日の混同
    系統A(入院した日)と系統B(発症等の日)の起算日を混同し、算定可能期間を誤って計算するケースがあります。特に入院が発症から数日後になった患者では、系統Bの算定残日数が系統Aより少ない場合があります。
  5. 系統Dと疾患別リハの重複算定
    ICU在室中(系統D算定日)に疾患別リハ料(系統A・B)を誤って算定するケースがあります。系統Dと系統A・Bは排他関係にあり、同一日の重複算定は認められません。

まとめ

令和8年度診療報酬改定における早期リハビリテーション加算の要点をまとめます。

  • 4系統の整理:系統A(早期リハ加算)・系統B(初期加算)・系統C(急性期リハ加算・新設)・系統D(早期離床・リハ加算)の4系統を正確に管理する
  • 系統Aの変更:算定期間が「発症等から30日」から「入院から14日」へ短縮。入院1〜3日目は60点に引き上げ
  • 起算日の厳格管理:転院患者は前医の入院日を起算日とする。系統A・B・Dでそれぞれ異なる起算日を別管理する
  • 離床なき減算:離床を伴わないリハビリには10%減算が適用される。離床の実施内容をカルテに具体的に記録する
  • 回復期への接続:急性期での早期介入・評価記録の充実が、回復期リハ病棟での実績指数達成に直結する

加算算定の体制整備・届出書類の準備・院内運用ルールの構築についてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。FIM評価シート(書式16)や多職種カンファレンス記録(書式15)は当サイトから無料でダウンロードいただけます。

参考文献

  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号、令和8年3月5日)
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(保医発0305第6号、令和8年3月5日)
  • 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第8号、令和8年3月5日)
  • 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その2)」(事務連絡、令和8年4月1日)