令和8年度(2026年)診療報酬改定では、バイオ後続品(バイオシミラー)に関する加算が3つの区分で並存します。入院基本料等への「バイオ後続品使用体制加算(100点・退院の日に算定)」は令和6年度新設で、令和8年度改定で算定日(入院初日→退院の日)と要件が見直されました。令和8年度には保険薬局向けの「バイオ後続品調剤体制加算(50点)」が新設されました。本記事では3加算の算定要件・施設基準・数量シェア目標・院内体制構築を、病院薬剤部・経営層向けに整理します。

§1 バイオ後続品(バイオシミラー)の基礎知識

バイオ後続品とは

バイオ後続品(バイオシミラー)は、先行バイオ医薬品との同等性・同質性が示された医薬品です。先行品の特許期間終了後に承認申請され、品質・有効性・安全性は先行品と同等と判断されています。

ジェネリック医薬品との違い

項目 ジェネリック医薬品 バイオ後続品(バイオシミラー)
製造方法 化学合成(低分子) 細胞培養・遺伝子組換え(高分子タンパク質)
先発品との関係 化学構造が完全同一 「同等性・同質性」が示された医薬品(完全同一ではない)
承認審査 生物学的同等性試験が中心 品質・非臨床・臨床試験を含む包括的評価
代表例 降圧薬・抗菌薬・抗糖尿病薬 抗体医薬・インスリン製剤・成長因子製剤

厚労省の数量シェア目標

厚生労働省は中医協(令和5年3月)において、バイオシミラーの普及目標を設定しています。

「バイオシミラーが薬剤利用量(数量)で80%以上を占める成分数を、全成分数の60%以上とする」
目標年:2030年度末(令和11年度末)

ポイント:バイオ後続品の普及は医療費の適正化と患者負担軽減の両方に寄与します。令和8年度改定では、この目標達成に向けて算定要件・対象成分が拡充されています。

対象となる主な薬剤の種類

  • 抗体医薬(モノクローナル抗体):トラスツズマブ・リツキシマブ・ベバシズマブ・インフリキシマブ・アダリムマブ等
  • 成長因子製剤:ペグフィルグラスチム
  • インスリン製剤:インスリンリスプロ・インスリンアスパルト
  • ホルモン製剤:エポエチン・テリパラチド・ソマトロピン

§2 3加算の全体像と関係(入院100点・外来150点・調剤50点)

令和8年度時点で、バイオ後続品に関連する診療報酬・調剤報酬の加算は以下の3つが並存します。算定主体・算定タイミングが異なるため、医療機関・保険薬局それぞれの立場で整理が必要です。

加算名 点数 算定主体 算定タイミング 施行・状態
バイオ後続品使用体制加算(入院) 100点 保険医療機関 退院の日(令和8年度改定で変更) 令和6年度新設・令和8年度で算定日・要件を見直し
バイオ後続品導入初期加算(外来) 150点 保険医療機関 外来での初回使用時 令和6年度に B001-2-12 注7 を廃止し第6部注射通則に統合
バイオ後続品調剤体制加算(調剤) 50点 保険薬局 処方箋受付1回につき 令和8年度新設

補足:記事タイトルに含まれる「バイオ後続品使用体制加算」は入院100点が正式名称です。令和8年度に新設された「バイオ後続品調剤体制加算(50点)」とは別の加算です。混同しないようご注意ください。

⚠️ 令和8年度改定の重要変更(バイオ後続品使用体制加算・入院100点):算定日が「入院初日」から「退院の日」に変更されました(厚労省「令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】」)。あわせて、使用回数の合計に係る要件が廃止され、バイオ後続品のある医薬品のうち1成分以上について、直近1年間に調剤した規格単位数量の合計が50以上であることが要件となりました。届出・算定時は最新の特掲診療料施設基準通知(保医発0305第8号)でご確認ください。

各加算の関係性

  • 入院加算(100点):医療機関が入院基本料・特定入院料と同時に算定。施設基準の届出が必要。
  • 外来導入初期加算(150点):外来でバイオシミラーを初めて使用する患者に対して算定。第6部注射の通則に基づく。
  • 調剤体制加算(50点):保険薬局がバイオ後続品(インスリン除く)を調剤した際に算定。医療機関の入院加算とは独立した算定区分。

注意:3加算はそれぞれ算定主体・算定要件が異なります。同一患者について医療機関と保険薬局が重複して算定する形になる場合があります。施設基準と算定ルールを個別に確認してください。個別の判断は薬剤部・主治医・院内バイオシミラー導入委員会にご相談ください。

§3 バイオ後続品使用体制加算(入院・100点)の算定要件・施設基準

加算の概要

項目 内容
正式名称 バイオ後続品使用体制加算
区分番号 A243-2
点数 100点(退院の日に算定。令和8年度改定で入院初日から変更)
算定対象 入院基本料(特別入院基本料等含む)または特定入院料を算定する患者
施行 令和6年度新設・令和8年度(2026年6月)で要件強化

算定要件(告示原文)

「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者……であって、バイオ後続品のある先発バイオ医薬品(バイオ後続品の適応のない患者に対して使用する先発バイオ医薬品は除く。)及びバイオ後続品を使用している患者について、当該基準に係る区分に従い、それぞれ退院の日に限り所定点数に加算する。」(令和8年度改定で「入院初日」から「退院の日」に変更)
— 保医発0305第4号(令和8年3月5日)

施設基準(令和8年度通知準拠)

施設基準は以下の5要件を満たす必要があります。

要件 内容
①体制整備 バイオ後続品の使用を促進するための体制が整備されていること
②実績要件 直近1年間にバイオ後続品のある先発バイオ医薬品及びバイオ後続品の使用回数が100回を超えること
③数量シェア目標 対象成分ごとに80%以上または50%以上のシェア達成(下表参照)
④掲示 バイオ後続品の使用に積極的に取り組んでいる旨を、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示
⑤ウェブサイト掲載 掲示事項について、原則としてウェブサイトに掲載していること(2025年6月1日以降必須)

数量シェア目標の対象成分

目標値 対象成分 備考
80%以上 エポエチン・リツキシマブ・トラスツズマブ・テリパラチド 令和8年度も継続
50%以上 ソマトロピン・インフリキシマブ・エタネルセプト・アガルシダーゼベータ・ベバシズマブ・インスリンリスプロ・インスリンアスパルト・アダリムマブ・ラニビズマブ アガルシダーゼベータ・ラニビズマブは令和8年度新規追加

補足:分母となる規格単位数量が50未満の成分は判定から除外可能です。自院で使用頻度の少ない成分については除外要件を確認してください。

実績計算の期間

「令和8年5月1日時点での届出において、実績期間の算出には『令和8年3月までの実績を用いることとし、4月実績は用いないこと』と示されている」
— 保医発0305第13号 関連通知より

ポイント:令和8年6月1日から算定を開始するためには、令和8年5月7日〜6月1日(必着)の間に地方厚生(支)局長へ届出が必要です。実績データは令和8年3月末までの集計を使用します。

届出書類

届出様式は「様式40の3の2」を令和8年度版に更新したものを使用します。令和8年度版の正確な様式番号は厚生局への確認を推奨します。

⚠️ 要確認:令和8年度の届出様式(様式番号)については、厚生局から送付される令和8年度版チェックリストおよび特掲診療料施設基準通知を確認してください。様式の変更がある場合は旧様式での届出が無効となります。

§4 対象薬剤・代表バイオ後続品一覧(2026年4月時点)

以下は令和8年度時点の算定対象告示(保医発0305第13号)に基づく代表的なバイオ後続品の一覧です。実際の採用可否は院内バイオシミラー導入委員会・薬剤部でご判断ください。

成分名 代表的な販売名(バイオ後続品) 数量シェア目標 主な適応
トラスツズマブ トラスツズマブBS注射用60mg「NK」「ファイザー」等 80%以上 HER2陽性乳がん・胃がん
リツキシマブ リツキシマブBS点滴静注用100mg「KHK」「ファイザー」等 80%以上 悪性リンパ腫・関節リウマチ
エポエチンアルファ エポエチンアルファBS注750IU「JCR」等 80%以上 腎性貧血・がん関連貧血
テリパラチド テリパラチドBS皮下注キット等 80%以上 骨粗鬆症
ベバシズマブ ベバシズマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」等 50%以上 大腸がん・肺がん・卵巣がん
インフリキシマブ インフリキシマブBS点滴静注用100mg「日医工」「明治」等 50%以上 関節リウマチ・クローン病
アダリムマブ アダリムマブBS皮下注40mg「FKB」「MA」「CTNK」「第一三共」等 50%以上 関節リウマチ・クローン病・乾癬
ペグフィルグラスチム ペグフィルグラスチムBS皮下注3.6mg「ニプロ」等 —(目標値設定なし) 好中球減少症(がん化学療法後)
アガルシダーゼベータ (令和8年度新規追加) 50%以上 ファブリー病
ラニビズマブ (令和8年度新規追加) 50%以上 加齢黄斑変性・網膜静脈閉塞症

補足:個々の製品の最新承認状況・薬価収載情報はPMDA添付文書・薬価収載情報を随時参照してください。新規承認・販売中止の最新動向はPMDA公式サイトで確認することを推奨します。

注意:上記一覧はあくまで代表例です。令和8年度告示(保医発0305第13号)の対象成分リストが正式な判定基準となります。必ず原文を確認してください。

§5 薬価差と経済的メリット(バイオシミラー切替の効果)

バイオ後続品への切り替えは、医療機関と患者の双方に経済的メリットをもたらします。以下は代表的な7成分の薬価差(令和6年度薬価基準ベース・複数解説資料より集計)です。

成分名 先行品薬価 バイオ後続品薬価 薬価差 患者負担減(3割)
トラスツズマブ60mg 9,807円 4,033円 5,774円 約1,732円
リツキシマブ100mg 15,341円 9,274円 6,067円 約1,820円
ベバシズマブ100mg 15,049円 5,932円 9,117円 約2,735円
ペグフィルグラスチム3.6mg 77,753円 54,924円 22,829円 約6,849円
エポエチンα 750IU 761円 485円 276円 約83円
インフリキシマブ100mg 35,981円 12,662円 23,319円 約6,996円
アダリムマブ40mg 46,856円 17,987円 28,869円 約8,661円

⚠️ 注意:上記薬価は複数解説資料を基にした参考値です。令和8年度薬価改定後の最新薬価は厚生労働省「薬価基準(最新版)」で必ずご確認ください。実際の薬価差は製品・規格・改定年度によって異なります。

DPC対象病院と出来高病院での効果の違い

算定区分 経済的効果 詳細
DPC対象病院(入院) 病院収益の増加 DPC期間中の薬剤費削減分が病院の収益改善につながる。薬剤費コストを下げながら包括点数は維持されるため、差益が生じる。
出来高算定(外来・在宅) 患者負担の軽減 薬剤費が実費算定されるため、バイオ後続品への切り替えで患者の自己負担額が減少する。

ポイント:DPC対象病院では、バイオ後続品の積極的採用が病院経営の改善にも直結します。薬剤部・経営企画部門が連携して普及推進体制を構築することを推奨します。

§6 院内体制構築の5ステップ(バイオシミラー導入の実務フロー)

施設基準の届出に向け、以下の5ステップで院内体制を整備してください。具体的な運用方法は薬剤部・主治医・院内バイオシミラー導入委員会で協議してください。

Step 1:バイオ後続品の採用品目選定

  • 自院の化学療法レジメン・在宅自己注射対応との整合性を確認する
  • 薬剤部・医師・看護師による協議体制(バイオ後続品導入委員会)を設置する
  • 日本バイオシミラー協議会(JBSA)の推奨情報を参考にする
  • 供給安定性・保管条件・コールドチェーン管理の確認を行う

Step 2:院内マニュアルの作成

  • 採用品目リスト・代替先行品との対応表を整備する
  • 患者説明用資料(パンフレット等)を用意する
  • 先行品からバイオ後続品への切替えフローチャートを作成する
  • 副作用モニタリング体制の手順書を作成する

補足:施設基準上、院内研修の頻度・範囲の法令上の明示はありません。一般的に、定期的な院内勉強会の開催が想定されます。開催記録を保管することを推奨します。

Step 3:患者説明・同意取得フロー

  • バイオ後続品の特徴(生物学的同等性・有効性・安全性のエビデンス)を説明する
  • 文書同意の取得(法令上必須ではないが、医療機関の実務上の判断として推奨)
  • 主に医師・薬剤師が説明を担当する
  • 患者が拒否した場合の対応フローも明確にしておく

Step 4:数量シェア管理

  • 月次集計(電子カルテからデータ抽出)を実施する
  • 80%目標・50%目標の各成分について個別計算する
  • 目標未達成成分のフォローアップ会議を定期開催する
  • 規格単位数量50未満の成分は除外可能(除外記録を保管)

Step 5:副作用モニタリング

  • バイオ後続品特有の免疫原性(抗体産生)を監視する
  • 使用開始後の血液検査・症状観察を強化する
  • 免疫原性試験の実施体制がある場合は定期実施を検討する
  • 副作用報告体制(PMDA・メーカーへの報告ルート)を確認する

ポイント:施設基準要件①「体制の整備」には、上記Step 1〜5を文書化・記録化して提示できる状態にしておくことが重要です。個別の体制設計は院内バイオシミラー導入委員会にご相談ください。

§7 バイオ後続品調剤体制加算(令和8年度新設・調剤50点)

⚠️ 令和8年度(2026年)新設:この加算は令和8年度調剤報酬改定で新設された保険薬局向けの加算です。医療機関が算定するバイオ後続品使用体制加算(入院100点)とは別の加算です。

加算の概要

項目 内容
正式名称 バイオ後続品調剤体制加算
点数 50点(処方箋受付1回につき)
特別調剤基本料A算定薬局の場合 100分の10(5点相当)
算定対象 バイオ後続品を調剤した場合(インスリン製剤を除く)
施行 令和8年(2026年)6月1日〜

算定要件・施設基準

必須要件は以下の3つです。

区分 要件 種別
①適切な保管 バイオ医薬品の温度管理等、適切な保管体制を整備していること 必須
②適切な説明体制 患者へのバイオ後続品に関する説明を適切に行う体制があること 必須
③掲示 薬局の内側・外側の見やすい場所に掲示していること 必須
④使用実績要件 調剤するバイオ後続品のある成分のうち、80%以上の成分でバイオ後続品のシェアが60%以上であること 努力目標(望ましい)

ポイント:使用実績要件(80%以上の成分が60%以上)は努力目標(望ましい)であり、実績がゼロでも届出可能です。まず体制を整えて届出し、その後実績を積み上げる運用が可能です。

届出手続き

項目 内容
届出様式 別添2の様式87の3の7
初回届出 初回のみ(体制変更があった場合は再届出)
定例報告 毎年8月1日現在の状況を報告

院外処方での運用注意

「保険薬剤師は、一般的名称による処方箋を受け付けた際、患者に対して、バイオ後続品に関する説明を適切に行わなければならないこととされた。」
— 保医発0305第13号(令和8年3月5日)

注意:バイオ後続品は先発品と成分名が異なるため、薬局が独自にバイオ後続品に変更することは原則できません。医師処方箋にバイオ後続品名または一般名が明記されている場合のみ調剤可能です。バーコード管理(GS1-128コード等)でロット・製品を正確に識別し、患者への説明を適切に行うことが算定の前提です。

§8 ウェブサイト掲載要件と経過措置(2025年6月1日以降必須)

バイオ後続品使用体制加算(入院100点)の施設基準では、掲示事項のウェブサイト掲載が求められます。令和8年度においても継続要件です。

時期 要件 対応
令和6年度改定〜
2025年5月31日まで
ウェブサイト掲載は経過措置 ウェブサイトを有しない医療機関も加算算定可
2025年6月1日以降 ウェブサイト掲載が原則必須 ウェブサイトへの掲載なしでは算定不可
令和8年度(2026年6月〜) 継続要件として維持 令和8年度改定でも継続。引き続き掲載が必要

掲載すべき内容

  • バイオ後続品の使用に積極的に取り組んでいる旨
  • 施設内での掲示内容と同等の情報

⚠️ 注意:2025年6月1日以降、ウェブサイト掲載なしでバイオ後続品使用体制加算を算定している場合は不当算定(過誤請求)となりえます。自院のウェブサイト掲載状況を確認し、未掲載の場合は至急対応してください。

ウェブサイトを持たない医療機関の対応

施設内掲示のみで対応している場合、2025年6月1日以降は加算算定ができません。ウェブサイトの新設または外部サービス(医療機関情報サイト等)への掲載について院内で検討してください。詳細な対応方針は地方厚生局への事前確認を推奨します。

補足:この要件は令和6年度改定で初めて導入されたもので、他の施設基準でも類似の「ウェブサイト掲載要件」が設けられています。関連する施設基準の経過措置もあわせて確認してください(医療DX・施設基準届出の解説もご参照ください)。

§9 よくある質問(FAQ)

Q1. バイオ後続品とジェネリック医薬品の違いは?

製造プロセスと同等性の範囲が異なります。ジェネリック医薬品は先発医薬品と化学構造が同一の「完全同一」品ですが、バイオ後続品(バイオシミラー)はバイオ医薬品(タンパク質性薬剤)であり、製造工程に細胞培養を含むため、先行品と「同等性・同質性」が示された医薬品です。臨床的有効性・安全性は同等とされますが、構造的に完全同一ではない点が違いです。

Q2. バイオ後続品使用体制加算の対象患者は?

入院基本料・特定入院料を算定する入院患者が対象です。具体的には「バイオ後続品のある先発バイオ医薬品(バイオ後続品の適応のない患者に対して使用する先発バイオ医薬品は除く)及びバイオ後続品を使用している患者」とされ、退院の日に100点を算定します(令和8年度改定で入院初日から変更)。対象成分は告示(保医発0305第13号)で指定された成分に限定されます。

Q3. 入院加算(100点)・外来加算(150点)・調剤加算(50点)はどう使い分けますか?

算定主体と算定タイミングが異なります。①入院加算(A243-2 100点)は医療機関が退院の日に算定します(令和8年度改定で入院初日から変更)。②外来加算(バイオ後続品導入初期加算150点・第6部注射通則)は外来でバイオシミラーを初めて使用する患者に対して算定します。③調剤体制加算(50点)は保険薬局が処方箋を受け付けてバイオ後続品(インスリン除く)を調剤した際に算定します。個別の算定可否は施設基準と算定ルールを確認してください。

Q4. 数量シェア80%目標・50%目標の対象成分は?

令和8年度告示で80%以上目標はエポエチン・リツキシマブ・トラスツズマブ・テリパラチドの4成分です。50%以上目標はソマトロピン・インフリキシマブ・エタネルセプト・アガルシダーゼベータ・ベバシズマブ・インスリンリスプロ・インスリンアスパルト・アダリムマブ・ラニビズマブの9成分です。分母となる規格単位数量が50未満の成分は判定から除外可能です。

Q5. ウェブサイト掲載要件はいつから必須ですか?

令和6年度改定で導入され、2025年5月31日までは経過措置(ウェブサイトを有しない医療機関も加算算定可)でしたが、2025年6月1日以降は原則必須となっています。令和8年度改定でも継続要件で、「バイオ後続品の使用に積極的に取り組んでいる旨」をウェブサイトに掲載することが求められます。

Q6. バイオ後続品調剤体制加算(50点)の実績要件は厳しいですか?

使用実績要件(80%以上の成分が60%以上)は努力目標であり、実績ゼロでも届出可能です。必須要件は「適切な保管」「適切な説明体制」「内側・外側への掲示」の3つで、薬局の体制整備が中心です。届出は初回のみ(様式87の3の7)、毎年8月1日現在の定例報告のみが義務です。

Q7. 院外処方でバイオ後続品に切り替える際の薬局運用は?

薬局が独自にバイオ後続品に変更することは原則できません。バイオ後続品は先発品と成分名が異なるため、医師処方箋にバイオ後続品名または一般名が明記されている場合のみ調剤可能です。バーコード管理(GS1-128コード等)でロット・製品を正確に識別し、患者へのバイオ後続品に関する説明を適切に行うことが調剤体制加算算定の前提です。

参考文献

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定における改定事項について」(保医発0305第4号・令和8年3月5日)
  • 厚生労働省「診療報酬における加算等の算定対象等となるバイオ後続品」(保医発0305第13号・令和8年3月5日)
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(調剤)」
  • 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等」(令和8年度版)
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリスト」
  • 中央社会保険医療協議会(中医協)資料「個別事項:後発医薬品・バイオ後続品の使用体制②」(令和5年3月)
  • 管理薬剤師.com「令和8年度(2026年)調剤報酬改定」
  • 日本バイオシミラー協議会(JBSA)公式情報