令和8年度(2026年)診療報酬改定では、新設加算への新規届出に加え、既存加算の要件変更に伴う再届出が多数発生します。本記事は「自施設はどの届出が必要か」を判定できる総合ガイドとして、届出が必要な施設基準の一覧、様式番号の対応表、受理日と算定開始日の共通ルール、地方厚生局への提出方法を1ページに整理しました。各加算の詳しい届出手順は個別ガイドへご案内します。

情報の時点:令和8年(2026年)6月中旬。根拠通知:保医発0305第7号・第8号(令和8年3月5日)、疑義解釈その1〜その7。

📋 届出後の年次報告はこちら:届出した施設基準は、毎年8月1日現在で適合性を自己点検し地方厚生局へ報告します(定例報告・令和6年度から8月報告に変更)。スケジュール・提出書類・チェックリスト書式は「施設基準の定例報告2026」で解説しています。定例報告を含む1年分の届出・報告の期日と頻度は「届出・報告 年間スケジュール」(Excelカレンダー付き)をご覧ください。

§1. まず確認:届出が必要になる3つのパターン

施設基準の届出が必要になる場面は、大きく3つのパターンに分かれます。自施設の状況を確認し、該当するパターンを把握することから始めましょう。

届出要否の判定フロー

パターンA:新設の加算・施設基準を算定したい
令和8年6月1日に新設された施設基準を算定しようとする場合
→ 新規届出が必要(§2-A一覧表で対象項目を確認)
↓
パターンB:既存届出済みでも再届出が必要な項目
要件変更・統廃合・疑義解釈で再届出が明示されている項目。旧加算の届出があっても自動移行は認められない
→ 再届出が必要(§2-B一覧表で対象項目を確認)
↓
パターンC:届出不要(要件を満たせばよい・既存届出が継続)
通知で「届出不要」と明記された項目、または既存届出が自動継続となる項目
→ 届出不要(ただし体制要件は維持すること)

ポイント:旧加算の届出があっても「自動移行」されない項目があります
代表例として、令和8年5月31日時点で「医療DX推進体制整備加算」と「診療録管理体制加算」の両方の施設基準を届け出ていた保険医療機関が、令和8年6月1日以降に「電子的診療情報連携体制整備加算」を算定する場合は、改めて届出を行う必要があります。(出典:疑義解釈その1 問3)
電子的診療情報連携体制整備加算の個別届出手順は、届出ガイド(シリーズ個別編:記事71)をご参照ください。

補足:パターンCの届出不要項目について
一部の施設基準は「基準を満たしていれば地方厚生(支)局長への届出は不要」と通知に明記されています。物価対応料(外来・在宅物価対応料、入院物価対応料等)については届出不要との情報もありますが、確定的な一次情報の確認が取れていないため、算定を予定する場合は通知原文または管轄厚生局への確認を推奨します。

§2.【一覧表】届出が必要な施設基準(令和8年度改定)

以下の一覧は、保医発0305第7号(基本診療料)・保医発0305第8号(特掲診療料)の別表(表1・表2)をもとに作成しています。各項目の算定要件の詳細には踏み込まず、届出の必要性と個別解説記事へのリンクを掲載します。

§2-A. 新設・施設基準が創設された項目(新規届出が必要)

【基本診療料(保医発0305第7号 表1)】

No 項目名(通知原文) 区分 備考・経過措置
1 初診料(医科)の注16、再診料(医科)の注19及び外来診療料の注10に規定する電子的診療情報連携体制整備加算 新設 個別届出ガイド(記事71)
2 初診料(歯科)の注15及び再診料(歯科)の注12に掲げる電子的歯科診療情報連携体制整備加算 新設
3 外来データ提出加算 新設
4 入院基本料(特別入院基本料等及び特定入院基本料を含む。)及び特定入院料に係る継続的に賃上げに係る取組を実施している保険医療機関の基準 新設 入院料減算免除の基準(受理番号「入減免」)。様式98(特掲・別添2)で提出。詳細は§3-B参照
5 急性期病院一般入院基本料 新設
6 急性期病院精神病棟入院基本料 新設
7 精神病棟入院基本料の注7に規定する精神病棟看護・多職種協働加算 新設
8 特定機能病院A入院基本料及び特定機能病院B入院基本料 新設
9 特定機能病院入院基本料の注11に規定する精神病棟看護・多職種協働加算 新設
10 情報通信機器を用いた看護業務の効率化に係る基準 新設
11 急性期総合体制加算 新設 経過措置:令和10年6月1日まで(旧・急性期充実体制加算からの移行猶予あり)
12 包括期充実体制加算 新設
13 医師事務作業補助体制加算のICT機器を活用した配置人数の算入方法に係る基準 新設
14 電子的診療情報連携体制整備加算(入院基本料等加算) 新設 様式18の4。個別届出ガイド(記事71)
15 看護・多職種協働加算 新設
16 産科管理加算 新設
17 精神科慢性身体合併症管理加算 新設
18 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算2 新設
19 口腔管理連携加算 新設
20 感染対策向上加算の注3に規定する微生物学的検査体制加算 新設
21 身体的拘束最小化推進体制加算 新設
22 地域支援・医薬品供給対応体制加算(基本診療料) 新設
23 病棟薬剤業務実施加算1 新設
24 地域医療体制確保加算2 新設
25 医療提供機能連携確保加算 新設
26 精神科地域密着多機能体制加算 新設
27 救命救急入院料の注12に規定する広範囲熱傷管理加算 新設
28 特定集中治療室管理料の注8に規定する広範囲熱傷管理加算 新設
29 ハイケアユニット入院医療管理料の注5に規定する入院料 新設
30 地域包括医療病棟入院料の注11に規定するリハビリテーション・栄養・口腔連携加算2 新設
31 回復期リハビリテーション病棟入院料の注4に規定する回復期リハビリテーション強化体制加算 新設 回復期リハ強化体制加算の解説
32 地域包括ケア病棟入院料の注14に規定するリハビリテーション・栄養・口腔連携加算 新設
33 精神科急性期治療病棟入院料の注4に規定する精神病棟看護・多職種協働加算 新設
34 短期滞在手術等基本料の注3に規定する入院手術対応加算 新設

(出典:保医発0305第7号 別添7 表1)

【特掲診療料(保医発0305第8号 表1)】

No 項目名(通知原文) 区分 備考・経過措置
1 遠隔電子処方箋活用加算 新設 様式1の4
2 地域連携小児夜間・休日診療料の注2に規定する院内トリアージ実施体制加算 新設
3 地域連携夜間・休日診療料の注2に規定する院内トリアージ実施体制加算 新設
4 救急外来医学管理料 新設 様式7の3
5 救急外来医学管理料の注3に規定する救急外来緊急検査対応加算 新設
6 充実管理加算2(脂質異常症を主病とする場合) 新設 生活習慣病管理料関連。様式7の10・7の11も要確認
7 充実管理加算2(高血圧症を主病とする場合) 新設 同上
8 充実管理加算2(糖尿病を主病とする場合) 新設 同上
9 心不全再入院予防継続管理料 新設
10 遺伝性疾患療養指導管理料の注1から注3までに規定する施設基準(令和8年3月31日時点で旧・遺伝カウンセリング加算の届出を行っている保険医療機関を除く。) 新設
11 遺伝性疾患療養指導管理料の注5(令和8年3月31日時点で旧・遺伝性腫瘍カウンセリング加算の届出を行っている保険医療機関を除く。) 新設
12 ウイルス・細菌核酸及び薬剤耐性遺伝子多項目同時検出 新設
13 ウイルス・細菌核酸多項目同時検出(令和8年5月31日時点で旧算定方法の届出を行っている保険医療機関を除く。) 新設
14 壁側胸膜凍結生検法 新設
15 頭頸部悪性腫瘍センチネルリンパ節生検加算 新設
16 手術の休日加算1、時間外加算1及び深夜加算1に関する施設基準(令和9年6月1日以降に引き続き算定する場合に限る。) 新設 経過措置:令和9年6月1日以降に引き続き算定する場合のみ届出が必要
17 口腔内装置2(睡眠時無呼吸症候群に対して口腔内装置を作製する場合) 新設 歯科
18 周術期薬剤管理加算 新設
19 高エネルギー放射線治療の乳癌に対する全乳房照射の場合(寡分割照射に係るものに限る。) 新設
20 強度変調放射線治療(IMRT)の前立腺癌に対する前立腺照射(寡分割照射に係るものに限る。) 新設
21 定位放射線治療呼吸性移動対策加算 新設
22 粒子線治療(令和8年5月31日時点で旧算定方法の届出を行っている保険医療機関を除く。) 新設
23 ホウ素中性子捕捉療法(令和8年5月31日時点で旧算定方法の届出を行っている保険医療機関を除く。) 新設
24 保険医療機関の連携による病理診断 新設
25 保険医療機関の連携におけるデジタル病理画像による術中迅速病理組織標本作製 新設
26 保険医療機関の連携におけるデジタル病理画像による迅速細胞診 新設
27 デジタル病理画像による病理診断 新設
28 病理診断管理加算 新設
29 口腔病理診断管理加算(令和8年5月31日時点で旧算定方法の届出を行っている保険医療機関を除く。) 新設 歯科
30 国際標準病理診断管理加算 新設
31 地域支援・医薬品供給対応体制加算(特掲診療料) 新設
32 バイオ後続品調剤体制加算 新設 保険薬局。バイオ後続品調剤体制加算の解説
33 門前薬局等立地依存減算 新設 保険薬局
34 服薬管理指導料の注1に規定する施設基準 新設 保険薬局
35 外来・在宅ベースアップ評価料(I)の注5に関する施設基準 新設 様式95
36 外来・在宅ベースアップ評価料(II)の注5及び注6に関する施設基準(注6に関する施設基準については、令和9年6月1日以降に引き続き算定する場合に限る。) 新設 様式96
37 歯科外来・在宅ベースアップ評価料(I)の注5に関する施設基準 新設 歯科
38 歯科外来・在宅ベースアップ評価料(II)の注5及び注6に関する施設基準(注6に関する施設基準については、令和9年6月1日以降に引き続き算定する場合に限る。) 新設 歯科
39 歯科技工所ベースアップ支援料 新設 歯科技工所
40 調剤ベースアップ評価料 新設 様式103。保険薬局

(出典:保医発0305第8号 別添2 表1)

補足:ベースアップ評価料の取扱い
各種ベースアップ評価料(外来・在宅、歯科、調剤)は、令和8年度改定で点数水準・区分・対象職員の範囲が見直されました。すでに旧ベースアップ評価料を届け出ていた機関も、新様式による新規届出が必要です。また、対象職員の数に1割以上の変動があり区分が変動した場合は、算出を行った月内に変更届出を行い翌月から変更後の区分を算定することとされています。(出典:疑義解釈その3 問4)

§2-B. 再届出が必要な項目(通知表2・疑義解釈で明示)

以下は、既に届出済みであっても、通知別表(表2)または疑義解釈で「改めて届出を行う必要がある」と明示された項目です。

No 項目名 再届出要否の根拠・条件 期限
1 電子的診療情報連携体制整備加算 令和8年5月31日時点で医療DX推進体制整備加算及び診療録管理体制加算を届け出ていた機関が6月1日以降に算定する場合は改めて届出が必要。(疑義解釈その1 問3) 算定前に要届出
2 外来データ提出加算(地域包括診療加算及び地域包括診療料) 既に充実管理加算の届出を行っている機関が外来データ提出加算の届出を行う場合、改めて様式7の10の届出が必要。 算定前に要届出
3 機能強化加算 令和9年6月1日以降に引き続き算定する場合に限る。(令和9年5月31日まではみなし適合の経過措置あり) 令和9年5月31日まで
4 一般病棟入院基本料(急性期一般入院料6、地域一般入院基本料及び特別入院基本料を除く。) 令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合に限る。 令和8年9月30日まで
5 療養病棟入院基本料2 令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合に限る。 令和8年9月30日まで
6 特定機能病院C入院基本料 令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合に限る。 令和8年9月30日まで
7 専門病院入院基本料(7対1) 令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合に限る。 令和8年9月30日まで
8 急性期総合体制加算(経過措置終了分) 各経過措置期限(令和8年10月1日、令和9年6月1日、令和10年6月1日)以降に引き続き算定する場合に限る。 各経過措置期限まで
9 在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料 令和8年8月に、注16の「厚生労働大臣が定める基準」に該当することを確認し、別添2の様式19により地方厚生(支)局長に報告が必要。 令和8年8月
10 外来腫瘍化学療法診療料1 令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合に限る。 令和8年9月30日まで
11 在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院 令和9年6月1日以降に引き続き届け出る場合に限る。 令和9年5月31日まで
12 各種ベースアップ評価料(外来・在宅(II)・歯科(II)・入院)の区分変動時 対象職員数が1割以上変動し、区分の変動がある場合は、算出を行った月内に変更届出が必要。(疑義解釈その3 問4) 区分変動月内

(出典:保医発0305第7号・第8号 表2、疑義解釈その1〜その7)

ポイント:疑義解釈による追加指定について
上記一覧は疑義解釈その1〜その7(令和8年6月中旬時点)をもとに網羅的に整理しています。以後の疑義解釈の発出により、再届出が必要な項目が追加される可能性があります。厚生労働省の通知・疑義解釈ページで随時確認してください。
なお、疑義解釈その2では「画像診断管理加算2(一部委託を行う場合)については、改めて届出を行う必要はない」との明示もあります。

§2-C. 廃止・統廃合される施設基準(届出が失効するもの)

以下の加算・基準は令和8年6月1日以降に廃止・統廃合されます。既存の届出は失効し、後継の施設基準を算定する場合は新規届出が必要です。

No 廃止・統廃合される加算 統合先・説明
1 医療DX推進体制整備加算 「電子的診療情報連携体制整備加算」へ再編・統合。旧加算は廃止。
2 医療情報取得加算 「電子的診療情報連携体制整備加算」に統合。旧加算は廃止。
3 診療録管理体制加算1(旧) 旧・加算2が加算1へ、旧・加算3が加算2へ改組。旧加算1は削除。
4 精神病棟入院基本料(旧) 「精神病棟入院料」へ名称変更・統合。
5 生活習慣病管理料(I)及び(II)の注4(旧・充実管理加算) 「充実管理加算3」等へ名称変更・整理。
6 外来後発医薬品使用体制加算(保険薬局) 「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へ名称変更・要件統合。
7 明細書発行体制加算(外来) 「電子的診療情報連携体制整備加算」に統合。

(出典:保医発0305第7号・第8号)

注意:廃止加算の届出は自動的に失効します
廃止・統廃合される加算の届出は令和8年6月1日以降に効力を失います。後継の施設基準を算定したい場合は、改めて新規届出が必要です。旧届出の継続を前提に算定しないよう注意してください。

§3.【様式対応表】届出様式の番号と入手先

§3-A. 基本診療料系の主要様式(別添7)

基本診療料の施設基準に係る様式は、保医発0305第7号の「別添7」に収録されています。

様式番号 施設基準名(略称)
様式1 情報通信機器を用いた診療に係る届出書添付書類
様式1の3 機能強化加算
様式1の4 外来感染対策向上加算
様式1の5 連携強化加算・サーベイランス強化加算・抗菌薬適正使用体制加算
様式1の6 電子的診療情報連携体制整備加算・電子的歯科診療情報連携体制整備加算(外来)
様式1の7 看護師等遠隔診療補助加算
様式2の3 地域包括診療加算・地域包括診療料
様式5〜11 一般病棟入院基本料等・入院料共通様式
様式9 看護要員の配置状況
様式10 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る届出書
様式13の3 夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等
様式13の4 医師の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制
様式18の3 看護職員夜間配置加算
様式18の4 電子的診療情報連携体制整備加算(入院)
様式20 従事者の名簿
様式60 情報通信機器を用いた看護職員及び看護補助者の業務の効率化の施設基準

(出典:保医発0305第7号 別添7)

§3-B. 特掲診療料系の主要様式(別添2)

特掲診療料の施設基準に係る様式は、保医発0305第8号の「別添2」に収録されています。

様式番号 施設基準名(略称)
様式1の4 遠隔電子処方箋活用加算
様式7の3 救急外来医学管理料
様式7の10 外来・在宅・リハビリテーション データ提出加算及び充実管理加算 データ提出開始届出書
様式7の11 外来データ提出加算
様式11 在宅療養支援診療所
様式11の6 在宅医療DX情報活用加算
様式19 在宅時医学総合管理料等の基準該当可否(定期確認:毎年2・5・8・11月)
様式19の3 在宅医療情報連携加算
様式22 検体検査管理加算
様式32 画像診断管理加算
様式39 外来腫瘍化学療法診療料
様式41〜43 各種リハビリテーション料
様式44の5の3 早期診療体制充実加算
様式87の3の6 電子的調剤情報連携体制整備加算
様式95 外来・在宅ベースアップ評価料(I)(+賃上げ基準に該当する有床診療所は様式98も提出)
様式96 外来・在宅ベースアップ評価料(II)
様式97 入院ベースアップ評価料
様式98 継続的に賃上げに係る取組を実施している保険医療機関の基準(入院料減算免除。受理番号「入減免」)
様式103 調剤ベースアップ評価料

(出典:保医発0305第8号 別添2)

様式98の対象条件(入院料減算免除)
様式98は、①令和8年3月31日時点で入院ベースアップ評価料を届出済みの機関、②令和8年度に対象職員の基本給等を5分5厘(看護補助者・事務職員は8分)相当以上ベアした機関、③令和8年3月31日時点で外来・在宅ベースアップ評価料(II)を届出済みの有床診療所、④外来・在宅ベースアップ評価料(I)のみ届出で2分3厘以上ベアした有床診療所が対象です。様式95の届出に追加して提出します。

§3-C. 様式の入手先

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」特設ページ(mhlw.go.jp)
    告示・通知(保医発0305第7号・第8号)の全文、ベースアップ評価料等の計算ツール、共通届出様式の一括ダウンロードが可能です。
  • 各地方厚生局「施設基準の届出等」ページ
    管轄地方厚生局のウェブサイトでも各種様式をダウンロードできます。局ごとに案内ページのURLが異なります。

注意:様式は必ず令和8年度版(最新版)を使用してください
旧様式(令和6年度版等)での提出は差し戻しの対象となります。様式をダウンロードする際は、厚生労働省または管轄地方厚生局のページから令和8年3月5日以降に公開された最新版を取得してください。

§4. 共通手続きルール(受理日・算定開始日・提出方法)

最重要ルール:受理日と算定開始日
「各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定する。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定する。」(保医発0305第7号)

・月末受理 → 翌月1日から算定開始
・月の最初の開庁日受理 → 当月1日から算定開始
・遡及算定は一切不可

提出先

当該保険医療機関の所在地を管轄する地方厚生(支)局長に対して、届出書添付書類を含む届出書を1通提出してください。

8地方厚生局・提出窓口一覧

注意:中国四国厚生局と四国厚生支局は別組織です
中国四国厚生局は中国5県(鳥取・島根・岡山・広島・山口)を管轄します。四国厚生支局は四国4県(徳島・香川・愛媛・高知)を管轄します。両者は別組織ですので、提出先をお間違えないようにご注意ください。

地方厚生局 管轄都道府県 受理確認方法
北海道厚生局 北海道 ウェブサイトの「施設基準の受理状況」ページで確認(受理通知書の送付なし)
東北厚生局 青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島 受理通知書の送付なし。控えへの受領印希望時は写し+返信用封筒(切手貼付)を同封
関東信越厚生局 茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・山梨 到着日を受付日とするため締切直前は書留等推奨。受理確認はウェブサイト
東海北陸厚生局 富山・石川・岐阜・静岡・愛知・三重 愛知県は指導監査課、他5県は各事務所。FAX不可
近畿厚生局 福井・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山 正本1通のみ提出。受理通知書の送付なし。ホームページの「施設基準等の届出受理状況の確認ツール」で確認
中国四国厚生局 鳥取・島根・岡山・広島・山口(中国5県) ウェブサイトで確認
四国厚生支局 徳島・香川・愛媛・高知(四国4県) ウェブサイトで確認
九州厚生局 福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄 ウェブサイトで確認

補足:地方厚生局によって運用が異なる場合があります
書類の提出先(本局・各事務所)、受理確認の方法、受領印の取得方法などは地方厚生局ごとに運用が異なります。必ず管轄の地方厚生局のウェブサイトで最新の案内を確認してください。

提出方法

  • 郵送(原則):「原則として、郵送でのご提出にご協力をお願いします。」(東海北陸厚生局通知)
  • 電子申請:「保険医療機関等電子申請・届出等システム」(令和8年5月25日より稼働開始)を利用可能
  • 窓口持参:各厚生局事務所(地域・局によって対応が異なります)
  • FAX:不可(東海北陸厚生局は明示的に不可と規定)

押印・記名・職名

  • 押印:不要(「届出書への開設者の押印は不要です。」保医発0305第7号)
  • 記名と職名:必須(「開設者」および「管理者(院長)」欄の記名・職名は必須。無署名の届出書は差し戻しの対象)

受理確認

受理通知書は原則として送付されません。各地方厚生局のウェブサイト「施設基準の受理状況」または「受理状況確認ツール」で自院の状況を確認してください。

§5. 期限とスケジュール(令和8年6月施行・経過措置との関係)

令和8年6月中旬現在の実務スケジュール

令和8年6月1日施行に合わせた初回特例(2026年5月7日受付開始〜6月1日必着の特例期間)は終了済みです。現在(令和8年6月中旬以降)から新規届出する場合は、通常の受理日基準が適用されます。

今から届出する場合の算定開始スケジュール(例)

ケース1:6月中旬〜6月末(開庁日最終日)に届出 → 受理されれば7月1日から算定開始
↓
ケース2:7月の最初の開庁日(月曜)に受理 → 7月1日から算定開始(例外的当月適用)
↓
ケース3:7月2日以降に受理 → 8月1日から算定開始

※届出が受理された月を起点に計算。受理されなかった月を遡って算定することは一切できません。

主要な経過措置期限一覧

経過措置対象 期限 内容
重症度、医療・看護必要度 令和8年9月30日 令和8年度改定後の基準を満たすものとみなす
ウェブサイト掲載要件(電子的診療情報連携体制整備加算等) 令和8年9月30日 要件に該当するとみなす(経過措置終了後は掲載が必要)
一般病棟入院基本料等の再届出(§2-B No.4〜7) 令和8年9月30日(必着) 令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合の再届出期限
外来腫瘍化学療法診療料1の再届出(§2-B No.10) 令和8年9月30日(必着) 令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合の再届出期限
特定集中治療室管理料 令和8年12月31日 みなし適合の経過措置
脳卒中ケアユニット入院医療管理料 令和8年12月31日 みなし適合の経過措置
機能強化加算の再届出(§2-B No.3) 令和9年5月31日 令和9年6月1日以降の算定には再届出が必要
在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の再届出(§2-B No.11) 令和9年5月31日 令和9年6月1日以降に引き続き届け出る場合の期限
手術の休日・時間外・深夜加算1に関する施設基準(§2-A特掲No.16) 令和9年5月31日 令和9年6月1日以降に引き続き算定する場合に届出が必要
急性期総合体制加算の一部区分 令和9年5月31日 令和9年6月1日以降に引き続き算定する場合に再届出が必要
急性期総合体制加算(旧・急性期充実体制加算からの長期移行猶予) 令和10年5月31日 令和10年6月1日以降も算定継続する場合のみ届出が必要

(出典:保医発0305第7号・第8号 表2、⚠️一部Gemini補完情報を含む)

補足:経過措置と届出の関係
経過措置期間中は、届出なしでも当該施設基準を満たすものとみなして算定できます。ただし経過措置終了後も継続算定するためには、期限前に改めて届出を行う必要があります。経過措置の詳細タイムラインは経過措置タイムライン2026(記事69)もご参照ください。

§6. 届出後に必要な対応(忘れがちな義務)

院内掲示・ウェブサイト掲載義務

施設基準を届け出た保険医療機関は、届出内容を院内の見やすい場所に掲示するとともに、ウェブサイトへの掲載も求められます。令和8年度改定では、ウェブサイト掲載義務の対象範囲が拡大しました。詳細は施設基準のウェブサイト掲載義務(記事68)をご参照ください。

定例報告(毎年8月)

「届出を行った保険医療機関又は保険薬局は、毎年8月1日現在で届出の基準の適合性を確認し、その結果について報告を行うものとすること。」(保医発0305第8号 第3 届出受理後の措置等)

対象となる主な施設基準の例:一般病棟入院基本料・急性期一般入院料、特定機能病院入院基本料、回復期リハビリテーション病棟入院料1〜4、地域包括ケア病棟入院料1・2、データ提出加算など。

ベースアップ評価料の実績報告(令和8年8月も必要)

ベースアップ評価料を届け出ている機関は、毎年8月に①前年度分の「賃金改善実績報告書」(様式100)と②当年度分の「賃金改善中間報告書」(様式100)の両方を提出する必要があります。令和8年8月においても提出が必要です(令和8年6月から賃上げを実施した機関は6・7月分の実績を中間報告)。(出典:疑義解釈 問6・問1)

補足:在宅時医学総合管理料等の定期確認
在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料を届け出ている機関は、「毎年2月、5月、8月及び11月に確認し、変更がある場合は別添2の様式19を用いて同月中に速やかに届出を行う」こととされています。(保医発0305第8号)

要件を満たさなくなった場合の変更届・辞退届

「届出を受理した後に、届出の内容と異なった事情が生じ、当該施設基準を満たさなくなった場合又は当該施設基準の届出区分が変更となった場合には、保険医療機関又は保険薬局の開設者は届出の内容と異なった事情が生じた日の属する月の翌月に変更の届出を行うものであること。」(保医発0305第7号)

注意:届出後の体制維持が必要です
施設基準の届出は、あくまで「現在その体制を満たしている」という届出です。職員の退職・機器の撤去等により要件を満たさなくなった場合は速やかに変更届・辞退届を提出する必要があります。適時調査で届出内容と実態が一致しないことが判明した場合、過去の算定分について返還を求められる可能性があります。

§7. よくある不備・漏れの防止策

不備1(最重要):再届出の失念

「旧加算を届け出ているから自動的に新加算も算定できる」という思い込みは危険です。§2-Bで挙げた項目は、旧届出が有効であっても改めて届出を行わなければ新加算を算定できません。

代表例:「令和8年5月31日において現に医療DX推進体制整備加算及び診療録管理体制加算の施設基準を届け出ている保険医療機関が、同年6月1日以降に電子的診療情報連携体制整備加算を算定する場合は、改めて届出を行う必要がある。(答)改めて届出を行う必要がある。」(疑義解釈その1 問3)

不備2:旧様式での提出

様式は必ず令和8年度版(最新版)を使用してください。厚生労働省または管轄地方厚生局のウェブサイトで最新版を確認・取得してください。旧様式での提出は差し戻しの対象です。

不備3:区分・施設種別の選択誤り

届出書の区分欄(例:急性期一般入院料1〜6の選択)や施設種別(病院・診療所・保険薬局の別)の記載ミスにご注意ください。

不備4:変更届・辞退届の遅延

要件を満たさなくなった月の翌月に変更届を提出する義務があります。変更を放置したまま算定を継続すると、適時調査で返還を求められるリスクがあります。

不備5:経過措置期限切れでの算定継続

「表2における経過措置期間については、令和8年3月31日時点で改正前の当該入院基本料等の届出を行っている保険医療機関についてのみ適用される。」(保医発0305第7号)経過措置期限後も継続算定するためには期限前に改めて届出が必要です。

届出管理のためのチェックリスト(無料DL)

自施設の届出状況を一括管理するための届出管理チェックリストを無料でダウンロードできます。

届出管理チェックリスト(Excel形式)をダウンロード

改定情報をメールでいち早くお届けします
疑義解釈の追加や再届出が必要な項目の更新情報を、メールアラートでお知らせするサービスを提供しています。登録特典として「改定対応・届出セット」ZIP(書式雛形一式)もダウンロードいただけます。
改定アラートに無料登録する

施設固有の届出書式・手順書のカスタマイズ(有料:11,000円〜)
施設の規模・診療科・体制に合わせた届出管理表・手順書の作成をご支援します。詳細はサービス一覧をご参照ください。
なお、地方厚生局への書類の提出代行(行政手続きの代理)は行っていません。届出書類の作成支援・確認のみ対応しています。

§8. よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年改定で届出が必要な施設基準はどこで確認できますか?

一次情報は厚生労働省が令和8年3月5日に発出した「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第7号)および「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第8号)の別表(表1)です。本記事§2にも転記していますが、放射線治療・病理診断等の高度専門項目については通知原文のPDFを直接参照することを推奨します。

Q2. 既に届出済みの加算も再届出が必要ですか?

項目によります。通知別表(表2)または疑義解釈で「改めて届出が必要」と明示されている項目については、旧届出が有効でも自動移行は認められません。本記事§2-Bの一覧表で対象項目を確認してください。一覧にない項目については、要件変更の内容と管轄厚生局への確認をお勧めします。

Q3. 届出はいつまでに出せばいつから算定できますか?

月末(最終開庁日)までに受理された場合は翌月1日から算定できます。月の最初の開庁日に受理された場合は当月1日から算定できます。それ以外の日の受理は翌月1日からの算定となります。いかなる場合も遡及算定は認められません。

Q4. 届出様式はどこで入手できますか?

厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」特設ページ(mhlw.go.jp)または管轄の地方厚生局のウェブサイトからダウンロードできます。必ず令和8年度版(令和8年3月5日以降に公開された最新版)を使用してください。

Q5. 届出を忘れて算定していた場合はどうなりますか?

適時調査で発覚した場合、届出のない施設基準の算定分について過去に遡って返還(不当利得返還)を求められる可能性があります。届出漏れに気づいた場合は、速やかに自主点検を行い、必要な届出手続きを取った上で管轄厚生局に相談することを推奨します。

Q6. 経過措置中の項目は届出が必要ですか?

経過措置期間中は、届出なしで当該施設基準を満たすものとみなして算定できます。ただし、経過措置終了後も継続算定するためには、各経過措置期限前に改めて届出を行う必要があります。経過措置の詳細については経過措置タイムライン2026(記事69)をご参照ください。

参考文献

  • 厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第7号、令和8年3月5日)
  • 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第8号、令和8年3月5日)
  • 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和8年3月23日 事務連絡)
  • 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その2〜その7)」(令和8年4月1日〜5月29日 事務連絡)
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について」(令和8年4月2日・5月1日)
  • 東海北陸厚生局「令和8年度診療報酬改定に伴う施設基準の届出等について」(参考)
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(特設ページ、mhlw.go.jp)

情報の時点について
本記事は令和8年(2026年)6月中旬時点の情報に基づいています。疑義解釈の追加発出や通知の改正により内容が変更される場合があります。最新情報は厚生労働省および管轄地方厚生局のウェブサイトでご確認ください。