「医療DX推進体制整備加算」は、令和8年5月31日をもって廃止されました。令和8年度診療報酬改定で医療DX関連の加算が再編され、電子的診療情報連携体制整備加算(医科)・電子的歯科診療情報連携体制整備加算(歯科)・電子的調剤情報連携体制整備加算(薬局)に統合されています。重要なのは「旧加算を届け出ていれば自動移行」ではないこと——医科・歯科は改めて届出が必要で、薬局のみ届出不要(みなし)です。本記事では旧→新の対応、届出の要否、今から届け出る場合の手順、院内掲示・ウェブサイトの更新まで整理します。

⚠️ 「届け出ていたのに算定できない」に注意:医科・歯科では、旧・医療DX推進体制整備加算の届出があっても、新加算の届出をしていなければ令和8年6月1日以降は算定できません(疑義解釈その1 問3)。届出なしで算定を続けると査定・返還の対象になります。未届出の場合は、受理された月の翌月1日から算定できます(今からでも届出可能)。

この記事のポイント

  • 医療DX推進体制整備加算(医科・歯科・調剤)は令和8年5月31日で廃止・電子的連携加算3種へ統合
  • 医科・歯科=改めて届出が必要/薬局=届出不要(みなし)
  • 院内掲示・ウェブサイトを旧加算の名称のままにしていると要件未充足と判断されるリスク
  • ウェブサイト掲載の経過措置は令和9年5月31日まで

1. 旧→新の対応表(結論早見)

区分廃止された旧加算(〜R8.5.31)後継の新加算(R8.6.1〜)旧届出者の扱い
医科 医療DX推進体制整備加算/医療情報取得加算 電子的診療情報連携体制整備加算1・2・3(初診15/9/4点・再診等一律2点・入院160/80点) 改めて届出が必要(その1 問3)
歯科 歯科医療DX推進体制整備加算/歯科外来診療医療情報活用加算 電子的歯科診療情報連携体制整備加算1・2(初診9/4点・再診一律2点) 改めて届出が必要
薬局(調剤) 医療DX推進体制整備加算(調剤) 電子的調剤情報連携体制整備加算(8点・月1回) 届出不要(みなし)(その1 問2)

なぜ医科・歯科と薬局で扱いが違う? 加算の組み替え方が異なるためです。医科・歯科は複数の旧加算を統合した「新設加算」として要件も再構成されたため再届出が必要、薬局は実質的な後継関係が明確なため届出がみなされます(疑義解釈その1 問2・問3。「疑義解釈まとめ」参照)。

2. 医科:電子的診療情報連携体制整備加算への移行

  • 当初の届出期限は令和8年5月7日〜6月1日(必着)でした。この期限に間に合わなかった場合も届出は可能で、受理された月の翌月1日から算定できます(月初の開庁日受理はその月から)。
  • 要件は旧加算から再構成されており、地域の診療情報共有ネットワークへの参加・活用(概ね2か月に1回以上)、電子処方箋体制、電子カルテ情報共有サービス(CLINS)接続等が求められます。チャットやメーリングリストでの情報共有はネットワーク要件を満たしません(疑義解釈その8 問1)。
  • 区分(1・2・3)ごとの点数・要件の違いは「電子的診療情報連携体制整備加算1・2・3の違い」、届出書の書き方は「届出ガイド(様式・記入例)」で解説しています。

3. 歯科:電子的歯科診療情報連携体制整備加算への移行

  • 歯科医療DX推進体制整備加算・歯科外来診療医療情報活用加算等を届け出ていた歯科診療所・歯科病院も、改めて届出が必要です。
  • 加算1=9点・加算2=4点(初診)、再診は一律2点、入院加算はありません。要件・様式は「電子的歯科診療情報連携体制整備加算1と2の違い」を参照してください。

4. 薬局:電子的調剤情報連携体制整備加算(届出不要・みなし)

  • 令和8年5月31日時点で医療DX推進体制整備加算を届け出ていた薬局は、改めての届出は不要(みなし)です(疑義解釈その1 問2)。
  • 新規に届け出る薬局は様式87の3の6を使用します。点数(8点・月1回)・マイナ保険証利用率等の要件は「電子的調剤情報連携体制整備加算の解説」を参照してください。

5. 共通の注意:院内掲示・ウェブサイトの「名称更新」

旧加算名のままの掲示はNG:「医療DX推進体制整備加算」の文言のまま院内掲示・ウェブサイト掲載を続けている場合、新加算の掲示要件を満たしていないと判断される可能性があります。新加算の名称・内容に合わせて更新してください。ウェブサイト掲載には令和9年5月31日までの経過措置がありますが、それ以降は未掲載だと算定できません。施設基準の掲載全般は「施設基準のウェブサイト掲載義務2026」(点検シート付き)を参照してください。

6. 今からの届出チェックリスト

  • ☐ 自施設の区分(医科/歯科/薬局)と、旧加算の届出状況を確認した
  • ☐ 医科・歯科:新加算の届出が受理されているかを確認した(未届出なら様式を入手し届出→受理月の翌月1日から算定)
  • ☐ 薬局:みなしの対象か(R8.5.31時点で旧加算届出済みか)を確認した
  • ☐ 院内掲示・ウェブサイトの文言を新加算名に更新した(R9.5.31までにウェブ掲載必須)
  • ☐ ネットワーク活用(概ね2か月に1回以上)・電子処方箋等の運用要件を満たし続けているか点検した
  • ☐ 8月の定例報告で適合性をあわせて点検(「施設基準の定例報告2026」参照)

届出先(地方厚生局)・期限の基本ルールは「施設基準 届出ナビ」でも確認できます。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 医療DX推進体制整備加算は2026年に廃止されたのですか?
はい。令和8年5月31日をもって廃止され、令和8年6月1日から医科は電子的診療情報連携体制整備加算、歯科は電子的歯科診療情報連携体制整備加算、薬局は電子的調剤情報連携体制整備加算に再編されました。

Q2. 旧加算を届け出ていれば、新しい加算は自動的に算定できますか?
医科・歯科はできません。改めて新加算の届出が必要です(疑義解釈その1 問3)。薬局のみ、旧加算の届出があれば改めての届出は不要(みなし)です(同 問2)。

Q3. 届出期限(令和8年6月1日)を過ぎてしまいました。もう算定できませんか?
算定できます。通常ルールに戻り、届出が受理された月の翌月1日(月の最初の開庁日に受理された場合はその月の1日)から算定できます。早めに管轄の地方厚生局へ届出してください。

Q4. 院内掲示は「医療DX推進体制整備加算」のままでもよいですか?
推奨されません。旧加算名のままの掲示・ウェブ掲載は、新加算の掲示要件を満たしていないと判断される可能性があります。新加算の名称・内容に更新してください。ウェブサイト掲載の経過措置は令和9年5月31日までです。

Q5. 医療DX推進体制整備加算の「1と2の違い」を調べていました。今はどうなっていますか?
旧・医療DX推進体制整備加算は、マイナ保険証の利用実績等に応じて区分1〜3で点数が分かれる仕組みでしたが、加算自体が令和8年5月31日で廃止されました。後継の電子的診療情報連携体制整備加算にも区分1・2・3があり、現在の区分の違い・点数・要件は「電子的診療情報連携体制整備加算1・2・3の違い」で解説しています(歯科は「歯科版1と2の違い」、薬局は「調剤版の解説」)。

参考・一次情報

  • 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)
  • 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発0305第6号)
  • 厚生労働省 疑義解釈資料(その1 問2・問3/その8 問1 ほか)

※ 本記事は令和8年度改定の整理に基づく解説です。点数・要件・経過措置の細目は最新の告示・通知・疑義解釈、管轄の地方厚生局でご確認ください。