2025年12月に従来の健康保険証は使えなくなり、2026年からは「マイナ保険証」または「資格確認書」で病院・薬局を受診するのが基本になりました。「医療費が高くなるの?」「マイナンバーカードを持っていないとどうなるの?」といった不安にお応えするため、患者さん・ご家族向けに、専門用語をできるだけ使わずにやさしく解説します。
この記事は患者さん・ご家族向けの解説です。2026年6月からの医療費全体の変化(お薬の選び方で負担が変わる仕組みなど)は「2026年6月から医療費はどう変わる?やさしい解説」もあわせてご覧ください。
1. 2026年のいま、保険証はどうなっているの?
健康保険証は、数年かけて「マイナ保険証」へ切り替えが進められてきました。2026年現在の状況を整理すると、次のようになります。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2024年12月 | 従来の紙・カードの健康保険証の新規発行が終了 |
| 2025年12月 | 従来の健康保険証が原則すべて使えなくなる(有効期限切れ) |
| 2026年(現在) | マイナ保険証か資格確認書で受診するのが基本 |
当面の経過的な取扱い:切り替えの混乱を避けるため、2026年7月末ごろまでは、期限が切れた従来の保険証でも、医療機関で資格(保険に入っていること)が確認できれば保険診療を受けられる特例的な対応がとられています。ただし、これはあくまで一時的な措置です。早めにマイナ保険証の利用登録を済ませるか、資格確認書を手元に用意しておきましょう。
2. 「マイナ保険証」と「資格確認書」、どちらを使えばいい?
ご自身の状況に合わせて、次の3パターンで考えるとわかりやすいです。
| あなたの状況 | 使うもの | 準備すること |
|---|---|---|
| マイナンバーカードを持っていて、保険証として使う登録も済んでいる | マイナ保険証 | 受付の機械にカードをかざすだけ(顔認証または暗証番号) |
| マイナンバーカードを持っていない/保険証利用の登録をしていない | 資格確認書 | 申請しなくても、加入している健康保険から無料で送られてきます |
| ご高齢・障がいなどで、機械の操作が難しい | 資格確認書 | 加入している健康保険に申請すれば受け取れます。ご家族の手助けも有効です |
資格確認書とは?マイナ保険証を使わない方のための、従来の保険証に代わるカードです。マイナ保険証を持っていない方には、申請しなくても自動的に交付されます(無料)。受診のときは、これまでの保険証と同じように受付に出せば大丈夫です。「マイナンバーカードを作らないと病院にかかれない」ということはありませんので、ご安心ください。
3. マイナ保険証を使うと、どんないいことがある?
マイナ保険証には、患者さんにとって次のようなメリットがあります。
- 高額な医療費の立て替えがいらない:入院や手術で医療費が高額になっても、その場で支払う窓口負担が自己負担の上限額までで済みます。これまで必要だった「限度額適用認定証」を事前に取り寄せる手間がなくなります(高額療養費の手続きがラクに)。
- 過去のお薬・健診の情報を医師に伝えられる:ご本人が同意すれば、これまで処方されたお薬や特定健診の結果を医師・薬剤師が確認できます。飲み合わせのチェックや、同じ検査のくり返しを避けるのに役立ちます。
- 医療費控除の手続きがかんたん:1年間に支払った医療費を、マイナポータルというサイトでまとめて確認でき、確定申告にそのまま使えます。
- 就職・転職・引っ越しでも使い続けられる:保険が変わっても、カード自体は同じものを使い続けられます(新しい保険証の到着を待つ必要がありません)。
4. 医療費(窓口の支払い)は高くなるの?
マイナ保険証でも資格確認書でも、窓口で支払う金額(自己負担)に差はありません。以前は受付方法によってわずかな差がありましたが、制度の見直しにより、現在はどちらを使っても窓口負担は同じです。「マイナ保険証だと高くなる/安くなる」という心配は不要です。
2026年6月の診療報酬改定では、医療機関がマイナ保険証の読み取りや医療情報の連携に取り組むための仕組みが整理されました。これは主に医療機関側の体制に関するもので、患者さんが受付方法によって損得をするものではありません。マイナ保険証は「窓口負担を増やす・減らす」ためではなく、より安全で便利な医療を受けるためのものとお考えください。
5. 使うときの注意点・困ったときは
- 暗証番号がわからない・顔認証がうまくいかない:受付の機械では「顔認証」と「暗証番号(4桁)」を選べます。どちらも難しいときは、受付の職員による目視確認の方法もあります。遠慮なくスタッフにお声がけください。
- 読み取りエラーが出た:カードのIC部分の汚れや、登録の反映待ちが原因のことがあります。資格確認書を併せて持っておくと安心です。
- ご高齢のご家族の受診:操作が難しい場合は無理にマイナ保険証を使わず、資格確認書を用意するのが確実です。施設に入所中の方の分も、加入している健康保険に相談できます。
- カードを忘れた・紛失した:まずは加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・市区町村の国民健康保険など)にご相談ください。紛失時はマイナンバー総合フリーダイヤルで利用停止もできます。
よくある質問(FAQ)
Q. マイナンバーカードを作らないと、病院にかかれませんか?
いいえ。マイナンバーカードをお持ちでない方には、申請しなくても資格確認書が無料で送られてきます。これまでの保険証と同じように受付に出せば、これまでどおり保険診療を受けられます。
Q. 高額療養費とは何ですか?マイナ保険証だと何が変わりますか?
1か月の医療費の自己負担が一定の上限額を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。マイナ保険証を使うと、上限額を超える分を窓口で立て替えなくてよくなり、事前に「限度額適用認定証」を取り寄せる手間もなくなります。
Q. 期限切れの古い保険証は、まだ使えますか?
2026年7月末ごろまでは、資格が確認できれば一時的に使える特例的な対応がとられています。ただし一時的な措置のため、早めにマイナ保険証の利用登録をするか、資格確認書をご用意ください。
Q. 子どもや家族の分も資格確認書はもらえますか?
はい。マイナ保険証を持っていないご家族には、それぞれに資格確認書が交付されます。お子さんの分も同様です。
参考リンク(公式)
- 厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45470.html
- 厚生労働省「マイナ保険証・資格確認書について」(マイナンバーカードの健康保険証利用)