「入院時支援加算」は、予定入院の患者に対し入院前(外来等)に療養支援を行ったことを評価する加算で、入退院支援加算(A246)の注8に規定されています。入院初日に1回算定し、実施した支援項目の範囲に応じて加算1(240点)または加算2(200点)を算定します。令和8年度改定でも点数・要件は据え置きです。本記事では、加算1と2の違い(必須項目・点数)、入院前に行うア〜クの支援項目、対象患者、200床以上・未満で異なる施設基準(専従/専任看護師・社会福祉士)、本体との併算定を比較表で整理します。

📋 関連ガイド:施設基準の届出準備は「施設基準 届出ナビ」、改定全体は「診療報酬改定2026 完全ガイド」、入退院支援の体制は「地域包括ケアナビ」で確認できます。

この記事のポイント

  • 入院時支援加算はA246(入退院支援加算)の注8。入院初日に1回算定する
  • 加算1=240点(ア〜クの全項目を実施)/ 加算2=200点(ア・イ・クを含む一部を実施)
  • 対象は自宅等から予定入院する患者。入院当日に外来で実施した場合は算定不可(支援は入院前に行う)
  • 施設基準は病床規模で異なる(200床以上=専従看護師1名 等/200床未満=専任看護師1名)

「入退院支援加算」本体(退院時1回)との違いに注意:入退院支援加算1・2・3(A246本体)は退院時に1回算定しますが、入院時支援加算(注8)は入院初日に1回算定します。両者は算定するタイミングが異なる別個の評価で、本体に上乗せして併算定します。

1. 入院時支援加算とは(A246 注8)

入院時支援加算は、予定入院の患者について、入院前に外来等で療養上の支援を行い、入院中の看護・栄養管理等に係る療養支援計画を立てて患者・病棟職員と共有した場合を評価する加算です。入退院支援加算(A246)の注8に規定されており、A246本体(入退院支援加算1・2・3のいずれか)を届け出ている保険医療機関でのみ算定できます(単独では算定できません)。

支援を入院前に前倒しすることで、入院後の治療・退院支援を円滑に進めることがねらいです。算定は入院初日に1回、入院基本料等の所定点数に加算します。

2. 入院時支援加算1と2の違い(比較表)

項目入院時支援加算1入院時支援加算2
点数240点200点
入院前の支援項目ア〜クの全項目を実施ア・イ・クを含む一部を実施
療養支援計画の立案・共有必須必須
算定単位入院初日に1回入院初日に1回
対象患者予定入院(自宅等から)予定入院(自宅等から)

加算1と加算2の最大の違いは入院前に実施する支援項目の範囲です。全項目(ア〜ク)を実施すれば加算1、患者の状態等により全項目は難しい場合でも必須項目(ア・イ・ク)を含む一部を実施すれば加算2を算定できます。

3. 入院前に行う支援項目(ア〜ク)

入院前に実施する支援項目は次のとおりです。加算1は全項目、加算2は「ア・イ・ク」を含む一部を実施します。

記号支援項目加算1加算2
ア身体的・社会的・精神的背景を含めた患者情報の把握○必須
イ入院前に利用していた介護・福祉サービスの把握(要介護・要支援状態の場合)○必須
ウ褥瘡に関する危険因子の評価○任意
エ栄養状態の評価○任意
オ服薬中の薬剤の確認○任意
カ退院困難な要因の有無の評価○任意
キ入院中に行われる治療・検査の説明○任意
ク入院生活の説明○必須

療養支援計画書について(疑義解釈):入院中の看護・栄養管理等に係る療養支援計画を立て、入院前に病棟職員と共有し、患者・家族に説明・交付して診療録に記載します。計画は通常作成する看護計画・栄養計画等を活用すればよく、新たな様式の作成は必須ではありません。

4. 点数・算定単位・対象患者

項目内容
規定入退院支援加算(A246)の注8
点数加算1=240点/加算2=200点
算定単位入院初日に1回、入院基本料等の所定点数に加算
対象患者自宅等から入院する予定入院の患者(入退院支援加算の対象患者)
算定できない場合入院当日に外来で支援を行った場合は算定不可(支援は入院前に実施する)

5. 施設基準・必要人員(病床規模で異なる)

A246(入退院支援加算1・2・3)の届出に必要な人員に加えて、入院前支援を行う者を入退院支援部門に配置します。配置要件は病床規模で異なります。

病床規模必要人員(入院前支援を行う者)
200床以上入退院支援・地域連携業務に十分な経験を有する専従の看護師1名以上、または専任の看護師1名+専任の社会福祉士1名以上
200床未満専任の看護師1名以上(A246の要件と兼ねることができる)

専従の要件:専従の看護師は週3日以上かつ週22時間以上の勤務が必要で、非常勤の専従配置は認められません。届出は様式40の9等を用い、管轄の地方厚生(支)局へ行います(施設基準 届出ナビも参照)。

6. 入退院支援加算本体・他加算との関係

  • 本体(A246)との関係:入院時支援加算は注8の上乗せのため、入退院支援加算1・2・3のいずれかを算定していることが前提です。本体(退院時1回)+入院時支援加算(入院初日1回)を併せて算定します。
  • 関連加算との併算定:地域連携診療計画加算(注4)や情報提供加算(注5)等とも、それぞれの要件を満たせば併算定できます。

7. 新旧対照(令和6年度→令和8年度)

項目令和6年度令和8年度変更
入院時支援加算1240点240点据え置き(令和6で230→240に引上げ)
入院時支援加算2200点200点据え置き
支援項目・施設基準同左同左大きな変更なし(要件整備は主に本体A246側)

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 入院時支援加算1と2の違いは何ですか?
入院前に実施する支援項目の範囲が違います。ア〜クの全項目を実施すれば加算1(240点)、必須項目(ア・イ・ク)を含む一部を実施すれば加算2(200点)です。どちらも入院初日に1回、療養支援計画の立案・共有を行ったうえで算定します。

Q2. いつ算定しますか?退院時ですか?
入院時支援加算は入院初日に1回算定します。入退院支援加算(A246本体)が退院時1回の算定であるのと異なる点に注意してください。

Q3. 入院当日に外来で支援を行った場合は算定できますか?
算定できません。支援は入院前に行い、療養支援計画を入院前に病棟職員と共有していることが要件です。

Q4. 200床未満でも算定できますか?
算定できます。200床未満の場合は、入退院支援部門に専任の看護師1名以上が配置されていれば要件を満たします(A246の要件と兼務可)。

参考・一次情報

  • 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)A246 入退院支援加算 注8
  • 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発0305第6号)
  • 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第7号)様式40の9
  • 厚生労働省 疑義解釈資料

※ 本記事は令和8年度改定の整理に基づく解説です。緊急入院・再入院時の取扱い等の細目は改定の都度見直されます。算定前に最新の告示・通知・疑義解釈、および管轄の地方厚生局でご確認ください。