この記事は、病院・介護施設でACPを担当する看護師・MSW・生活相談員・介護支援専門員・施設管理者・医師を対象に、ACP(アドバンス・ケア・プランニング/人生会議)の進め方で実際によく直面する困りごとをQ&A形式で整理したものです。

「家族が来られない」「本人の意思が確認できない」「DNARとACPの違いが分からない」「入院料の指針をどう作ればよいか」など10問の質問と回答、および書式ダウンロード動線を掲載しています。令和6年度(2024年度)改定の情報を含みます。

なお、ACP書式・マニュアル類の一括ダウンロードは人生会議(ACP)サポートページからもご利用いただけます。

ACP(人生会議)とは?進め方の基本となぜ今必要か

ACP(Advance Care Planning)は、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(令和元年改訂版)で次のように定義されています。

「将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、本人による意思決定を支援するプロセス」

厚労省は2018年(平成30年)11月に愛称「人生会議」を採用し、11月30日を「人生会議の日」に設定しています。ACPは一度行えば完結するものではなく、病状の変化・転換期ごとに繰り返し話し合う継続的なプロセスです。人生会議のやり方は施設や場面によって異なりますが、本記事では現場で迷いやすい論点を10問のQ&Aで具体的に整理します。

なぜ今必要か:令和6年度診療報酬改定で「適切な意思決定支援に関する指針」が入院料の通則要件に格上げされ、急性期一般病棟を含む原則すべての病棟でACP推進体制の整備が求められるようになりました。介護施設でも看取り介護加算・ターミナルケア加算の要件にACPの考え方が組み込まれています。

Q1. ACP(人生会議)とは? いつ・誰が・何回行うものですか?

ACPは「本人を主体に、家族・近しい人・医療介護チームが繰り返し話し合うプロセス」です。一度の面談で終わるものではありません。

実施時期の目安

厚労省ガイドラインおよびいずれの資料にも、具体的な回数や間隔の規定は示されていません。実践的には入院・入所時、病状変化時、退院・退所前、療養場所の変更時など、転換期ごとに見直しを行うことが推奨されています。施設内規程で実施時期の目安を定めておくと、現場での運用がスムーズになります。

担当者・多職種の関与

ACP自体の実施に専従・専任の要件は定められていません。厚労省ガイドラインは「医療・ケアチームと十分な話し合いを行う」ことを求めており、多職種が関与する体制が基本です。

職種 ACPにおける主な役割
医師 病状・治療選択肢の説明、ACP呼びかけ、DNAR指示の作成
看護師 日常的なコミュニケーション、本人・家族の橋渡し、記録
MSW/社会福祉士 家族支援、家族会議のコーディネート、福祉サービスとの連携
介護支援専門員(ケアマネ) ケアプランへのACP内容の反映、多職種間の連絡調整
生活相談員 入所時・転換期の意向確認、施設内の調整
介護職員 日常観察結果のフィードバック、生活場面でのコミュニケーション
管理栄養士・リハビリ職・薬剤師等 必要に応じて参加(栄養・機能面の意向確認など)

書式:話し合い内容の経時的な記録には、多職種で共有できる書式を活用することをお勧めします。
ACP対話記録シート(多職種・経時記録)をダウンロード

Q2. 家族がいない/同席できない場合、ACPはどう進めますか?

家族が同席できない状況は珍しくありません。厚労省ガイドラインは「家族等がいない場合:本人にとって最善の方針を医療・ケアチームで慎重に判断する」と明示しています。

本人との面談を中心に進める

家族同席を待つのではなく、本人との面談を最優先にします。本人の残存能力に合わせた方法で、「望む医療・ケア」「望まない医療・ケア」を丁寧に引き出し、本人の言葉を記録に残します。

記録と情報共有

  • 話し合いの内容をその都度カルテ・ケア記録に記録する
  • 医療・介護チーム内で情報共有ルートを整備する
  • 本人にACP記録のコピーを渡しておくことで、緊急時にも参照できるようにする
  • 後日、家族と面談できた際にACPの内容を共有し、意見を確認する

注意:具体的な記録様式・情報共有の方法は施設の実情によって異なります。「身寄りのない方への対応」については、厚労省が別途ガイドラインを示しているとの情報もありますが、一次情報を確認のうえ施設の方針として整備することをお勧めします。

Q3. 本人の意思確認ができない(認知症・意識障害等)場合はどう進め、どう記録しますか?

厚労省ガイドライン(令和元年改訂版)は、本人の意思確認が困難な場合の対応を3段階で整理しています。

意思確認困難時の3段階フロー

状況 対応方針(ガイドライン原文をもとに整理)
家族等が本人の意思を推定できる 本人の推定意思を尊重し、本人にとって最善の方針をとる
家族等が本人の意思を推定できない、または家族がいない 本人にとって最善の方針を医療・ケアチームで慎重に判断する
チームでも合意が得られない 複数の専門家からなる委員会(院内倫理委員会等)に諮る

重要:推定意思は「本人の意向として参考にする情報」であり、法的強制力はありません。この位置づけを記録にも明示しておくことが重要です。具体的な判断基準は、施設の倫理指針に基づいて定めてください。

また、「認知症患者の症状が進行し意思確認が困難になる場合等に備えて、かかりつけ医がより早期から適切な意思決定支援を実施することを推進」(ガイドライン原文)とされています。症状が軽いうちからACPの話し合いを始めることが、後の意思確認困難に備える最善策です。

代理意思決定者(成年後見人・任意後見人)がいる場合はその意見を優先します。成年後見制度が利用されている場合は後見人と協働してください。

書式:本人の意向・推定意思・代理意思決定者の情報を一枚にまとめて記録できる書式をご活用ください。
ACPシート(記録様式)をダウンロード/記入例版をダウンロード

Q4. ACPと事前指示書(リビングウィル)・DNARの違いは何ですか?

それぞれの概念を混同しないよう、定義の違いを整理します。厚労省ガイドライン解説編の原文をもとに説明します。

概念 定義・特徴 法的強制力
ACP(人生会議) 本人と家族・医療介護職が話し合うことで、本人の価値観や選好に沿う医療や介護を専門家とともに選ぶプロセス。「当該医療施設や介護施設にとっての事前指示書に該当する」(解説編原文)。特定の施設を前提とした継続的な話し合い なし(本人の意向として尊重)
事前指示書・リビングウィル 「医療や介護のプロによる助言がない状態で、本人だけでも決められる点が大きい」(解説編原文)。特定の施設を想定していない。本人単独でも作成できる なし(参考情報として扱う)
DNAR 「心肺停止時の対応を指す。心肺停止となった場合、蘇生処置を行わないことを選択し、そのままお看取りをする」(解説編原文)。ACPの中に含まれる具体的な指示のひとつ なし(倫理的に尊重)

ポイント:「ACPは広義的で、ACPの中にDNARが含まれているようなイメージ」(ガイドライン解説編原文)です。日本では尊厳死・アドバンス・ディレクティブに関する法律はなく、いずれも「患者の意向として参考にする情報」として扱われます。

事前指示書の書式・実践マニュアルとして、当サイトでは以下をご提供しています。

事前意思表明書(Excel)をダウンロード
ACP実践マニュアル(病院向け・令和6年度改定対応)をダウンロード

Q5. 代理意思決定者が複数いる、または家族間で意見が割れる場合はどうすればよいですか?

厚労省ガイドラインは「家族等の中には広い範囲の人(親しい友人等)を含み、複数存在することも考えられる」としています。

対応の基本的な流れ

  1. 本人が生前に指定した代理者がいる場合は最優先(成年後見制度による場合は家裁の決定に従う)
  2. 家族間の意見が割れる場合は、多職種カンファレンス・家族会議を開催し、本人の推定意思に基づいた協議を行う
  3. 合意が得られない場合は、複数の専門家からなる委員会(院内倫理委員会等)に諮る(ガイドライン原文)
  4. 決定プロセスと意思決定者・協議内容をカルテ等に必ず記録する

注意:代理者が複数いる場合の最終決定者のルールは施設の倫理指針によって異なります。「ガイドラインに沿った協議プロセスの実施と記録の保全」が最も重要です。記録が不十分な場合、後日トラブルになるリスクがあります。

事前意思表明書(事前に代理人を指定しておく書式)をダウンロード

Q6. 話し合いの内容はどの様式に・どこまで記録すればよいですか?

厚労省ガイドラインは「繰り返し話し合った内容をその都度文書にまとめておき、本人、家族等と医療・ケアチームで共有することの重要性」を明記しています。

記録すべき内容

  • 本人が望む医療・ケア/望まない医療・ケア
  • 本人の価値観・人生の目標・療養場所の希望
  • 話し合いの参加者・日時・経緯・合意内容
  • 代理意思決定者の情報(氏名・続柄・連絡先)
  • 次回見直しの予定

様式の選び方

ACP記録に法定様式はありません。施設独自の「ACP記録票」、電子カルテ内のテンプレート、厚労省配布のACPシート等いずれも使用できます。重要なのは多職種が参照できる形で保存・更新することです。

書式:当サイトでは以下の2種類を無料提供しています。用途に応じてご活用ください。
ACPシート(記録様式)をダウンロード/記入例版をダウンロード / ACP対話記録シート(多職種・経時記録)をダウンロード

Q7. 入院料通則の「適切な意思決定支援に関する指針」要件とACPの関係は?

令和6年度診療報酬改定で、「人生の最終段階における意思決定支援」が入院料の通則要件に格上げされました。これはACPを施設全体で推進するための制度的な裏付けです。あわせて身体的拘束等の行動制限を最小化する取組も入院料の通則に組み込まれています。

要件の概要(令和6年度診療報酬改定)

項目 内容
対象 原則すべての病棟(令和6年〔2024年〕3月31日において入院基本料・特定入院料を届け出ている病棟・病床)
除外 小児特定集中治療室管理料・総合周産期特定集中治療室管理料・新生児特定集中治療室管理料・新生児治療回復室入院医療管理料・小児入院医療管理料・児童思春期精神科入院医療管理料を算定する病棟(病床)のみを有する医療機関
指針の内容 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、適切な意思決定支援に関する指針を作成する
様式・研修の細目 特定の届出様式番号や研修回数といった法定の細目規定は定められていない。ガイドラインに沿って指針を整備し、院内で運用・周知することが要件
改定前との違い 改定前:療養病棟入院基本料・地域包括ケア病棟等の一部に限定。改定後:急性期一般入院料等を含む原則すべての病棟に拡大
経過措置 令和6年(2024年)3月31日時点で入院基本料・特定入院料を届け出ていた病棟は、令和7年(2025年)5月31日までの間に限り基準を満たしているものとされた(既に義務化されていた療養病棟等を除く)

注意:経過措置は令和7年(2025年)5月31日をもって終了しました。本記事執筆時点(2026年5月)では経過措置期間は過ぎているため、未整備の場合は速やかに指針を策定・周知してください。なお、要件はあくまで「ガイドラインに沿った指針を整備し、院内で運用・周知すること」であり、特定の届出様式や研修回数までは定められていません。

指針に盛り込む具体的な内容(策定主体・周知方法・研修計画等)については、当サイトのテンプレートをご活用ください。

意思決定支援に関する指針テンプレート(Excel・入院料通則対応)をダウンロード
同(Word)をダウンロード

補足:指針の策定にあたって専従・専任の配置要件は定められていません。ACP自体の実施に関する専従・専任要件も同様にありません。施設の実情に合わせた体制整備が基本となります。

Q8. 救急搬送・急変時にACPをどう活かしますか?DNARとの関係は?

DNARとは「Do Not Attempt Resuscitation」の略で、「心肺停止時の対応を指します。心肺停止となった場合、蘇生処置を行わないことを選択し、そのままお看取りをします」(ガイドライン解説編原文)。

重要な確認事項:DNARはあくまで「心肺停止時のCPR(心肺蘇生)」に限定した指示です。心停止以外の通常の処置(苦痛緩和・点滴・酸素投与等)とは別の問題です。DNAR指示があっても、苦痛緩和ケアは継続して行われます。

救急現場での心肺蘇生中止に関する枠組み

救急搬送時にACP・DNARの情報をどう扱うかについては、消防庁の検討部会(平成30年度「傷病者の意思に沿った救急現場における心肺蘇生の実施に関する検討部会」報告書。令和元年11月に消防庁救急企画室から関係機関へ通知)を踏まえ、各地域のメディカルコントロール(MC)協議会・消防本部がプロトコルを整備しています。代表的な運用(東京消防庁等)では、次の条件をかかりつけ医等に確認できた場合に、救急隊が心肺蘇生を中止し医師・家族等へ引き継ぐ(不搬送等の)対応を行う枠組みがあります。

確認される事項(代表例) 内容
① ACPの実施と心肺停止 ACPが行われた成人で、心肺停止状態であること
② 人生の最終段階 傷病者が人生の最終段階にあること
③ 本人の意思 本人が心肺蘇生の実施を望んでいないこと
④ 症状の合致 本人の意思決定時に想定された症状と、現在の症状が合致していること

急変・救急搬送時の実務上の留意点

  • ACPやDNAR指示の内容を、緊急時にすぐ参照できる場所に保管しておく
  • 搬送時に救急隊員・受け入れ先医療機関へACPの内容を伝達できる体制を整える
  • DNAR指示の有効性・適用範囲は、必ず主治医(かかりつけ医)の確認を経て判断する
  • 救急隊が確認する事項・連絡体制は、本人・家族の意向をかかりつけ医等に確認できることが前提となる

注意:救急現場での心肺蘇生中止の具体的な運用・適用要件は、地域のMC協議会・消防本部ごとに異なります。上記は代表的な枠組みであり、実際の運用は自施設の所在地域のMC協議会・消防本部が示す最新のプロトコルを必ずご確認のうえ、地域の関係機関と事前に連携体制を整えてください。

ACP実践マニュアル(病院向け・急変時対応含む)をダウンロード
事前意思表明書(Excel)をダウンロード

Q9. 介護施設での看取り介護加算・ターミナルケア加算とACPの連動は?

介護施設(特養・老健等)の看取り加算や訪問看護のターミナルケア加算では、ACPの考え方が算定要件に明確に組み込まれています。令和6年度(2024年度)介護報酬改定の内容をもとに整理します。なお、後述のとおり「介護老人保健施設のターミナルケア加算(日単位)」と「訪問看護のターミナルケア加算(介護保険・月単位)」は別の加算ですので、混同しないようご注意ください。

介護老人保健施設のターミナルケア加算(日単位・令和6年度改定後)

区分 改定前 改定後(令和6年度〜)
死亡日 — 1,900単位/日
死亡日の前日・前々日 — 910単位/日
死亡日前30〜4日 — 160単位/日
死亡日前45〜31日 80単位/日 72単位/日(死亡日等への重点化で引き下げ)

令和6年度改定では「死亡日の前日・前々日および死亡日の区分への重点化を図る」という方針のもと、死亡日等の単位を引き上げ、死亡日前45〜31日の区分を80→72単位に引き下げています。これは施設サービス(介護老人保健施設)の日単位の加算です。

訪問看護のターミナルケア加算(介護保険・月単位・令和6年度改定後)

項目 内容
単位数 改定前 2,000単位/月 → 改定後 2,500単位/月(令和6年度介護報酬改定で引き上げ)
引き上げの理由 医療保険のターミナルケア療養費との均衡を図るため
主な算定要件 死亡日および死亡日前14日以内に2日以上、ターミナルケアに係る訪問看護を行うこと。24時間連絡・訪問できる体制の確保、主治医との連携のもと本人・家族等への十分な説明と合意 等(算定要件自体の大きな変更はなし)

区別のポイント:「介護老人保健施設のターミナルケア加算」は日単位(死亡日1,900単位/日等)の施設サービス加算、「訪問看護のターミナルケア加算」は月単位(2,500単位/月)の在宅サービス加算です。両者はまったく別の加算であり、対象サービス・算定単位(日/月)が異なります。

看取り加算・ターミナルケア加算のACP関連要件

加算名 ACP関連の算定要件
介護老人保健施設のターミナルケア加算 「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン等の内容に沿った取組を行うこと」「計画の作成にあたり、本人の意思を尊重した医療・ケアの方針決定に対する支援に努めること」
看取り介護加算(老健等) 「医師、看護師、介護職員、支援相談員、管理栄養士等が共同して、入所者の状態または家族の求め等に応じ随時、本人またはその家族への説明を行い、同意を得てターミナルケアが行われていること」
訪問看護のターミナルケア加算(介護保険) 「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を踏まえ、利用者の意思決定を基本とした医療・ケアを医療・ケアチームが提供すること
居宅介護支援ターミナルケアマネジメント 令和6年度改定で「末期の悪性腫瘍の患者」の限定を撤廃。「人生の最終段階における利用者の意向を適切に把握すること」が新たに要件に追加された

補足:看取りに関する指針については「多職種とは、医師・生活相談員・看護職員・介護職員・管理栄養士・介護支援専門員・その他の職種をいう」(算定要件原文)と定義されています。多職種協議による指針の定期的な見直しが求められます。

ACP実践マニュアル(介護施設向け・特養・老健・グループホーム対応)をダウンロード

看取りと並行して検討されることの多い経口維持加算・口腔機能向上加算など他の関連加算については食事・口腔・栄養 加算サポートページもご覧ください。

Q10. ACPを始めたいが院内・施設内体制がない。最初の一歩は?

「制度は分かったが、どこから手をつければよいか」という声は多く聞かれます。以下のステップを参考に、施設の状況に合わせて段階的に進めてください。

体制整備の進め方(参考)

  1. 方針・指針の策定
    まず「施設としてのACP方針」を盛り込んだ指針・マニュアルを作成します。病院の場合は入院料通則の「適切な意思決定支援に関する指針」の策定(令和7年5月末で経過措置は終了済み)が喫緊の課題です。
    意思決定支援指針テンプレート(Excel)をダウンロード / 同(Word)をダウンロード
  2. 推進チームの立ち上げ
    ACP推進委員会・倫理委員会等の多職種チームを組織します。「施設においてもACPの概念を職員間で認識し、意識することが必要」(ガイドライン関連資料)です。医師・看護師・MSW・介護職員の代表が参加する形が望ましいです。
  3. 職員研修の実施
    医師・看護師だけでなく、介護職員・MSWへの研修も行います。具体的な研修回数の法的規定はありませんが、全職員への周知が求められます(施設の状況に合わせてください)。
  4. 書式・記録体制の整備
    ACPシート・ACP対話記録シートを整備し、記録・保管・共有のルールを定めます。
  5. 地域連携の整備
    地域の医師会・病院・消防機関等との連携体制を確認します。救急現場での心肺蘇生中止の運用は地域のMC協議会・消防本部ごとに異なるため、自施設の所在地域のプロトコルを事前に確認しておきます。

書式・マニュアル一式:体制整備に必要な書式・マニュアルは以下からまとめてご利用いただけます。
ACP実践マニュアル(介護施設向け)をダウンロード
ACP実践マニュアル(病院向け)をダウンロード

多職種のACPにおける役割(体制整備の参考に)

ACP自体の実施に専従・専任の配置要件は定められていません。ただし、多職種が関与する体制を整えることがガイドラインの基本的な考え方です。各職種の役割を以下に整理します。

職種 ACPにおける主な役割 専従・専任要件
医師 病状・治療選択肢の説明。DNAR指示の作成。入院料通則の指針整備の主導 規定なし
看護師 日常的なコミュニケーション、本人・家族の橋渡し、ACP記録の作成・管理 規定なし
MSW/社会福祉士 家族支援・家族会議のコーディネート・福祉サービスとの連携・代理者調整 規定なし
介護支援専門員(ケアマネ) ケアプランへのACP内容の反映・多職種間の連絡調整 規定なし
生活相談員 入所時・転換期の意向確認・施設内の調整・家族との窓口 規定なし
介護職員 日常観察結果のフィードバック・生活場面でのコミュニケーション 規定なし
管理栄養士・リハビリ職・薬剤師等 必要に応じて参加(栄養・身体機能・服薬に関する意向確認など) 規定なし

ACP書式を一括ダウンロード

当サイトではACPに関連する書式・マニュアルをまとめてダウンロードいただけます。

書式名 主な用途 ダウンロード
ACPシート(記入例つき) 本人の意向・価値観の記録(Q1・Q3・Q6) Excel / 記入例
ACP対話記録シート 多職種・経時記録(Q1・Q6) Excel
事前意思表明書 代理者指定・事前指示(Q4・Q5) Excel
意思決定支援指針テンプレート 入院料通則対応・指針策定(Q7・Q10) Excel / Word
ACP実践マニュアル(介護施設向け) 特養・老健・グループホームの体制整備(Q9・Q10) Word
ACP実践マニュアル(病院向け) 病院のACP体制整備・令和6年度改定対応(Q4・Q8・Q10) Word

一括ダウンロード:ACP関連書式をまとめてお使いになる場合は、ZIPパッケージをご利用ください。
ACP関連書式を一括ダウンロード(ZIPパッケージ)
書式の詳細やフローチャートは人生会議(ACP)サポートページもあわせてご覧ください。

カスタマイズのご相談:施設固有の事情に合わせた意思決定支援指針の策定支援・ACP記録書式のカスタマイズについては、お気軽にお問い合わせください。

参考文献

  • 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(令和元年[2019年]改訂版)
  • 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン 解説編」(令和元年[2019年]改訂版)
  • 厚生労働省 人生の最終段階における医療・ケア(ACP普及・啓発) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hoken_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html
  • 令和6年度(2024年度)診療報酬改定 入院料の通則「適切な意思決定支援に関する指針」(厚労省 令和6年度診療報酬改定告示・通知。具体的な告示番号は厚労省ホームページをご確認ください)
  • 令和6年度(2024年度)介護報酬改定 介護老人保健施設のターミナルケア加算・看取り介護加算・居宅介護支援ターミナルケアマネジメント(厚労省 令和6年度介護報酬改定告示・通知。具体的な告示番号は厚労省ホームページをご確認ください)
  • 令和6年度(2024年度)介護報酬改定 訪問看護のターミナルケア加算(2,000単位/月→2,500単位/月。医療保険のターミナルケア療養費との均衡を踏まえた引き上げ。厚労省 令和6年度介護報酬改定告示・通知)
  • 消防庁「傷病者の意思に沿った救急現場における心肺蘇生の実施に関する検討部会」報告書(平成30年度/令和元年11月 消防庁救急企画室より関係機関へ通知)

免責事項:本記事は2026年5月時点の情報に基づき作成しています。診療報酬・介護報酬の改定内容は今後変更される場合があります。算定・指針策定に際しては必ず最新の厚労省告示・通知をご確認の上、施設の状況に応じてご判断ください。救急現場での心肺蘇生中止の運用は地域のメディカルコントロール協議会・消防本部ごとに異なるため、自施設の所在地域の最新プロトコルをご確認ください。