「体力的にも精神的にも限界。でも転職して同じ失敗をしたくない」——そんな気持ちを抱えている介護職の方は少なくありません。この記事では、介護職の転職で失敗しないための「辞める理由の整理方法」と、介護職 転職 エージェントの選び方を具体的に解説します。転職活動フローと志望動機整理シートも用意しているので、ぜひ活用してください。

「もう限界」と感じたとき、まず立ち止まってほしいこと

夜勤明けに体が動かない。利用者さんへの言葉がきつくなっていると気づく。休日も仕事のことが頭を離れない。

そんな状態が続いているなら、転職を考えるのは自然なことです。

ただ、介護職の転職で「同じ職場の問題に悩む」パターンを繰り返している方が多くいます。転職そのものより、「介護職が辞める理由」と「次に何を求めるのか」を整理することが、失敗しない転職の第一歩です。

ポイント:令和6年度の介護職員の離職率は13.1%(産業計14.2%)で、低下傾向にあります。ただし離職者の約74%が勤続3年未満という実態があり、早期離職の問題は依然として深刻です。

介護職の転職でよくある3つの課題

現場の介護職員が転職活動でつまずくポイントは、大きく3つに集約されます。

課題1:転職しても同じ問題を繰り返す

「人間関係が嫌で転職したのに、次の職場でも同じことが起きた」という声は非常に多いです。辞める理由を整理しないまま動くと、次の職場選びに軸がなくなります。その結果、似たような環境を選んでしまいます。

課題2:介護職 転職 エージェントの選び方がわからない

介護職向けの転職サービスは多く、どれを使えばよいか判断できない方がほとんどです。サービスごとに求人数・対応方法・強みが異なるため、目的に合わないサービスを選ぶと時間を無駄にします。

課題3:求人が多すぎて比較できない

介護職の有効求人倍率は全国平均で約4倍前後で推移しており、一部の大都市圏では5倍を超えます。求人数の多さは有利ですが、「多すぎて選べない」という混乱を招くことも多いです。

なぜ介護職を辞めるのか——介護職の辞める理由データ

厚生労働省の調査(社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会参考資料2)によると、介護職員が直前の仕事を辞めた理由は以下のとおりです。

順位 転職理由 割合 グラフ(相対)
1位 職場の人間関係に問題があったため 24.7% ████████████
2位 他に良い仕事・職場があったため 18.5% █████████
3位 事業所の理念・運営のあり方に不満 17.6% ████████
4位 収入が少なかったため 16.3% ████████
5位 自分の将来の見込みが立たなかったため 14.2% ███████

※出典:厚生労働省「社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会 参考資料2」(令和7年)(財)介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査」より(複数回答)

補足:「職場の人間関係」と回答した人のうち、約49%が「上司・先輩からのパワーハラスメント」を理由に挙げています。人間関係の問題は個人の問題ではなく、職場風土の問題です。

失敗が繰り返される原因

「介護 転職 失敗しない」ためには、まず失敗の原因を理解する必要があります。転職を繰り返す介護職の方に共通するのは、「辞める理由が言語化されていない」という点です。

原因1:「なんとなく辛い」で動いてしまう

「もう嫌だ」という感情はリアルですが、それだけでは次の職場を選ぶ基準になりません。「何が辛いのか」「その環境のどの要素が自分に合わないのか」を言葉にできていないと、転職活動中の面接でもうまく話せません。

原因2:職場選びの軸がない

「夜勤がない職場に転職した結果、給与が下がりすぎた」「人間関係は良くなったが、仕事の専門性が低くてやりがいがない」——こうした後悔は、転職前に優先順位を決めていないことで起きます。

「全部良い職場」は存在しません。何を最優先するかを決めることが、次の転職を成功させる鍵です。

失敗しない転職のための解決策

解決策1:辞める理由を整理する(V-4シートを活用)

転職活動を始める前に、以下の「転職理由・志望動機整理シート」を書き出してみてください。手書きでも、メモアプリでもかまいません。「本音の理由」と「面接で話す理由」を分けて整理することがポイントです。

【転職理由・志望動機 整理シート】

■ 現職を辞めたい理由(本音)
  例:「夜勤が体力的に限界」「上司からのパワハラが続いている」
      「給与が低く、生活が苦しい」

■ 転職理由(面接で伝える版)
  ※ネガティブな理由はポジティブに言い換える

  本音:人間関係が辛い
  → 面接版:「チームで協力しながら働ける環境でスキルを伸ばしたい」

  本音:夜勤が体力的に限界
  → 面接版:「日勤中心の職場で長く安定して働き、専門性を高めたい」

  本音:給与が低い
  → 面接版:「資格や経験を正当に評価してもらえる職場に移りたい」

■ 次の職場に求めること(優先順位付き)
  1位:(例:夜勤なし)
  2位:(例:月給30万円以上)
  3位:(例:資格取得支援がある)

■ 自分の強み・アピールポイント
  (経験した介護の種類、保有資格、得意なこと)
  ・
  ・
  ・

ポイント:「優先順位1位」を妥協しない求人だけに絞り込むことで、選択肢が整理されます。すべての条件を満たす求人を探し続けると、転職活動が長期化します。

解決策2:エージェント vs 転職サイト——どちらを使うべきか

介護職の転職サービスは大きく「エージェント型」と「求人サイト型」の2種類があります。

区分 特徴 向いている人
エージェント型 担当者が求人紹介・書類作成・面接対策・条件交渉まで伴走。施設の内部情報(実際の離職率・残業実態など)を教えてもらえることが多い 初めての転職・条件交渉が苦手・職場の雰囲気を重視する人
求人サイト型 自分のペースで求人を検索・応募できる。担当者の連絡が不要なため気軽に使える。求人数が多い 自分で情報収集したい・担当者との連絡が負担な人

おすすめの使い方:エージェント型2社(担当者からの情報収集用)+求人サイト型1社(自分で求人を幅広く確認用)の計3社を並行利用するのが効果的です。ただし、同じ施設に複数のエージェントから重複して応募すると選考中止になるリスクがあるため、「他社でも活動中」と必ず担当者に伝えてください。

解決策3:介護職に強いエージェントランキング(V-2)

以下は、介護職 転職 エージェントの主要サービス比較です。求人数はいずれも2026年4月時点の目安です。

# サービス名 求人数(目安) タイプ 強み こんな人向け
1 ジョブメドレー 55万件以上 求人サイト型 業界最大級の求人数。スカウト機能あり。自分のペースで活動できる 自分で幅広く探したい人・担当者の連絡が不要な人
2 レバウェル介護 11万件以上 エージェント型 施設の実際の離職率・残業時間など内部情報に強み。面接同行あり 職場の雰囲気・人間関係を事前に確認したい人
3 マイナビ介護職 9万件以上 エージェント型 非公開求人が約40%。管理職・高条件求人が充実 資格を活かして年収アップしたい人
4 かいごGarden 12万件以上 エージェント型 介護大手ツクイグループ運営。地方・地元の質の高い求人が多い 地方・Uターン転職を考えている人
5 介護ワーカー 約5.9万件 エージェント型 年収交渉に強く、レスポンスが速い 内定を急いでいる人・条件交渉を任せたい人
6 カイゴジョブエージェント 約1.7万件 エージェント型 ケアマネ・施設長など管理職・専門職求人に特化。厚生労働省認定の適正事業者 ケアマネ・管理職を目指す人
7 かいご畑 約6,400件 エージェント型 派遣就労しながら初任者研修・実務者研修を0円で取得できる制度あり 未経験・無資格からスタートしたい人

※求人数は各サービス公式情報をもとにした2026年4月時点の目安です。実際の数は変動します。

解決策4:エージェントを活用する転職フロー(V-3)

エージェントに登録してから入職までの流れを確認しておきましょう。

エージェント活用フロー

STEP 1:エージェントに登録(2〜3社が目安)
    └ まずは求職者登録フォームに記入するだけ。無料

STEP 2:担当者と面談(電話・オンライン)
    └ 転職理由・希望条件・経験を伝える。整理シートを事前に記入しておくとスムーズ

STEP 3:求人の提案を受ける
    └ 気になる求人は「実際の離職率・残業時間」を担当者に確認する

STEP 4:応募・書類準備
    └ 履歴書・職務経歴書の添削をエージェントが行う

STEP 5:面接(事前に施設情報・よく聞かれる質問を担当者から入手)
    └ 面接同行サービスがあるエージェントもある

STEP 6:内定・条件交渉
    └ 給与・夜勤回数・入職日などの交渉はエージェントが代行

STEP 7:退職・入職のスケジュール調整
    └ 現職への退職手続きのアドバイスも受けられる

注意:内定後は「処遇改善加算の取得区分(最上位の加算Ⅰを取得しているか)」「夜勤回数・残業実態・有給消化率」を必ず確認してください。処遇改善加算の区分によって、年収に50〜100万円単位の差が生じる可能性があります。

給与の目安と施設の選び方

厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員(常勤・全体平均)の月給は338,200円です。保有資格により月給に差があります。

資格・区分 平均月給(常勤)
介護支援専門員(ケアマネ) 388,080円
社会福祉士 397,620円
介護福祉士 350,050円
実務者研修修了 327,260円
初任者研修修了 324,830円
資格なし 290,620円

介護福祉士を取得すると、資格なしと比べて月額約6万円の差があります。資格取得支援制度がある施設を選ぶことも、転職の際の重要な判断材料です。

補足:施設種別による給与の目安(Gemini調査・令和6年度参考値)は、特養・有料老人ホームが36万円前後、老健・訪問介護が35万円前後です。ただし地域・施設規模・処遇改善加算の取得区分により大きく変動します。あくまで参考値としてご利用ください。

[検討中] 2026年6月の臨時報酬改定では、最大月額1.9万円の賃上げ支援が検討されています(Gemini情報。令和7年4月時点で詳細未確定)。転職先の施設がこの改定にどう対応するかも、内定後の確認事項に含めることをおすすめします。

ミニ事例:辞める理由の整理が転職の結果を変えた

特別養護老人ホームで3年勤務した30代の介護職員Aさん(仮名)は、「人間関係が辛い」という理由で転職を考え始めました。

しかし整理シートを書いてみると、「本当に辛いのは特定の上司との関係であり、介護の仕事自体は好き」「夜勤は続けたい(給与面で重要)」「次は多職種連携が活発な施設がいい」という軸が見えてきました。

エージェントに「施設内の連携体制について内部情報を教えてほしい」と具体的に伝えることができ、老健への転職後は「多職種が関わる環境でやりがいを感じている」と話しています。

「何が嫌か」を「何が欲しいか」に変換することで、面接での話し方も変わり、採用担当者の印象も変わります。

よくある質問(FAQ)

Q1:介護職 転職 エージェントは何社登録すべきですか?

A:エージェント型2社+求人サイト型1社の計3社が目安です。エージェント1社だけでは紹介される求人や担当者の質に偏りが出やすいため、複数社を並行利用して比較することで、失敗しない転職につながります。ただし、同じ施設に複数のエージェントから重複応募すると選考中止になる可能性があるため、「他社でも活動中」と必ず各担当者に伝えてください。

Q2:介護職が辞める理由で最も多いものは何ですか?

A:厚生労働省「令和6年度介護労働実態調査」(社会保障審議会福祉部会参考資料2)によると、最も多い理由は「職場の人間関係に問題があったため」(24.7%)です。次いで「他に良い仕事・職場があったため」(18.5%)、「事業所の理念・運営のあり方に不満」(17.6%)が続きます。人間関係と回答した人のうち、約49%が上司・先輩からのパワーハラスメントを理由に挙げています。

Q3:介護 転職 失敗しないために最初にやるべきことは何ですか?

A:転職活動を始める前に「辞める理由の言語化」と「次の職場への希望条件の優先順位付け」を行うことです。感情だけで動くと、次の職場でも同じ問題に直面するケースが多いため、本記事の「転職理由・志望動機整理シート」を活用し、本音と面接で伝える理由を分けて書き出すことをおすすめします。

Q4:介護職 転職 エージェントは本当に無料で使えますか?

A:はい、求職者は完全無料で利用できます。エージェントの収益源は求人を出す施設側からの成功報酬のため、登録・面談・求人紹介・面接対策・条件交渉まですべて無料です。内定後のしつこい入職勧奨が心配な場合は、厚生労働省認定の「適正な有料職業紹介事業者」マークを取得しているサービス(カイゴジョブエージェント等)を選ぶと安心です。

まとめ:転職活動を始める前にやること

介護職の転職で同じ失敗を繰り返さないために、まず取り組むべきことを整理します。

  • 転職理由を「本音」と「面接版」に分けて言語化する
  • 次の職場への要望を優先順位付きで書き出す
  • 介護職 転職 エージェント2社+求人サイト1社の3社体制で情報収集する
  • 内定後に処遇改善加算の区分・夜勤回数・残業実態を確認する

転職は「逃げ」ではありません。自分が長く働ける環境を主体的に選ぶことは、利用者さんへのより良いケアにもつながります。

転職活動の進め方や、施設の選び方についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。書式・マニュアルの整備を含めたキャリア設計のサポートも対応しています。

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参考文献

  • 厚生労働省「社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会 参考資料2」(令和7年)—(財)介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査」を含む
  • (公財)介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査」
  • 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
  • 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(令和6年7月12日発表)
  • 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算」算定要件(令和6年度介護報酬改定)